後工程はお客様という言葉があります。職種を問わず自分の仕事の後工程はすべてお客様であり、お客様のためになる仕事をやっていこうという趣旨です。
製造会社で物流が軽視されがちだということをお話しましたが、この思想に基づけば間違った発想であると言わざるを得ません。
もちろん、この思想がなくてもこの時代に物流を軽視することは企業経営にとってマイナスであることは言うまでもありませんが。
生産統制が取れていない場合、好き勝手にものづくりを行い、その結果として在庫に振れが出てしまう場合があります。その影響、特にマイナスの影響を物流が受けていることは改めなければなりません。
トラック合わせ生産という生産方式があります。これはその名の通り、出荷トラックに合わせた生産を行うことを指します。
トラック1台が満車になるように生産を調整します。ちょうどトラック1台分となる生産ロットを組むということです。
即ちこれはものづくりが物流に同期化している典型的な例なのです。これはお客様へお届けする時刻から逆算し、トラック出発時刻や生産完了時刻、生産開始時刻などを決めていくことになります。
・ お客様到着 翌日14時
・ トラック出発 翌日11時
・ 荷揃え完了 翌日10時
・ 生産完了 翌日9時
・ 生産着手 当日16時
このようにお客様到着時刻からさかのぼって各工程の時刻を決めていくのです。
いかがでしょうか。ものづくりと物流が同期化することで余分な在庫を防ぐことができるとともに、物流ロスも削減することが可能になるのです。
一足飛びにこのレベルに達しなくても、まず物流が生産ラインから完成品を引き取るタイミングを決めることだけから始めても良いかもしれません。
次回に続きます。