物流は3現主義で(3) 間接部門も自分の目で確認

3現主義の三つ目の「現」は「現実」の「現」です。いくら良い改善アイデアを考えたとしてもそれが具現化できないものであれば意味ありません。

ただし今の技術力ではできないかもしれないけれど、いずれ将来に可能になることもありますので、発想は大いに広げてみても良いかもしれません。まさに今私たちが抱いている固定観念は壊さなければならないのです。

改善とは「すぐやること」ですから、目の前にある問題をその時に解決していきたいものです。そこで関係者に集まってもらいロケーションを変えてみたり棚表示を作ってみたりするのです。

物流改善を実施する際にデータ分析を行うことも多々あります。これはこれで大変重要なことですので経理データなどを活用して数字はまとめる必要があるでしょう。

こういったデータを管理する場合も3現主義は必要になってきます。仮に管理会計の数値をまとめるのが経理だとしましょう。この経理にも現場に出かけて行って数値を入手することも必要になるのです。

現場で現物を見ながら現実的な対応をしていく必要がありますので、数字を管理する部署はその数字の根拠を自分の目で確認することが求められるのです。

物流現場では在庫管理を行っていますが、その在庫の現品数と帳簿数があっているかどうか、期末棚卸時に限らず確認することが必要です。

悪い言い方をすると「物流現場に騙されない」ようにすることです。本当に3現主義に基づいて仕事をする経理マンのことを現場サイドはとても警戒します。

労務管理を行っている人事部門の担当者も同様です。労働時間管理を現場サイドがきっちりとやっているかどうかを3現主義で確認するのです。

昔から言われているサービス残業。これは絶対にやってはならないことですが、実際にはまだある可能性があります。

人事担当者はこういった事実を現場に出かけて行って確認します。現場に行けば現場サイドが言っていることが本当かどうかがわかります。

間接部門のスタッフが陥りがちなことですが、現場が言っていることを鵜呑みにしてしまうことがあります。それがまったく誤りが無ければ良いのですが現場が間違えるということもあります。

いかがでしょうか。物流現場は当然としてすべて仕事をする人が努めて実施すべきことが3現主義に基づく活動です。ぜひこのことを忘れずに仕事に取り組んでいきたいものですね。