物流倉庫業務について考える(2) 流通加工に積極的に取り組む


通信販売で返品された商品を再製品化する業務があります。もちろんそれが可能な場合に限られますが、この業務を物流倉庫業者で行うことは大きな付加価値業務になると思われます。

一般的に匂いがついてしまった商品や靴の履き皺がついてしまったものは廃棄となる可能性が大きいようです。

しかし一部手を加えることで再販が可能である場合はそれを倉庫内で行い、在庫に戻すことになります。倉庫の中に再製品化ラインを設け、そこに作業員を配置して実施します。

この業務を請け負っている業者は収益性も悪くないようです。荷主から見ればぜひやって欲しいと思われる業務なので、積極的に取りに行くと良いでしょう。

これに類似した業務としてパソコンや家電の修理を倉庫内で実施することが挙げられます。これにつきましても「倉庫業務とは保管業務である」という狭い発想から脱却した事例だと言えそうです。

ご存知の通り物流には5つの機能があります。それは「輸送」「保管」「包装」「荷役」「流通加工」ですが、最後の「流通加工」が物流収益を向上させるキーであると考えられます。

なぜならこの「流通加工」に積極的に取り組んでいる会社は多くないからです。流通加工の簡単な例として「値札付け」や「袋詰め」、「シール貼り」などが挙げられます。

もちろん、こういった事例も良いのですがもう一歩踏み込んだ形での加工を行っていくことが望ましいと思います。

例えば材料の切断業務や製品の組み立て業務、検査業務などです。ここまでのレベルに来るとものづくりの一部であると考えられます。

単なる保管や運搬ではなく、製品そのものに付加価値を付けますので収益的にも有利であると考えられるのです。

さらに同業他社があまり手を付けていない分野ですので先駆者利益を享受することもできるかもしれません。

繰り返しになりますが、自分たちは物流業だからその領域外の業務は行わない、という狭い考え方では今後の倉庫業としての発展は望めません。

少し背伸びをするくらいが丁度いいのです。保管業務だけだと立地や倉庫規模などで優位性はほとんど決まってしまいます。それを打破するためのちょっとした工夫が必要なのです。

次回に続きます。