物流品質は常に愚直な活動で保持することが可能となります。つまり突飛なことをやるのではなく、決められたことをきちんと守ることが大切だということです。
よく自動機やポカヨケ装置に走りがちですが、実際にはそのようなお金をかけなくても品質は守れます。逆にお金をかけて装置を入れても、必ずしも品質が良くなるとは限らないのです。
物流品質で難しいと作業者の方が口をそろえて言うのは「数の数え方」です。数なんて子供でも数えられると馬鹿にしていると痛い目にあいます。
どこの会社でも数量ミス(誤数)を発生させたことはあると思います。そこで各社はいろいろな工夫を凝らしています。
たとえばある会社では、小物部品を数える時には必ずトレーの上に並べて数えることを標準作業化しています。
袋から取り出す時に数えるだけではダメで、必ずトレーの上に並べなさい、と指導しているのです。
別の会社では多数個をピッキングする際には、必ず5個ずつ数えることを義務付けています。5個の山をつくり、最後に5個未満の端数の山をつくります。
これによって5個の山が4山と端数が3個で23個というように数量を確認しているのです。
また他の会社では、升目を描いたテンプレートに数字を書きそこに実際に部品を並べていくという方法をとっています。
この会社も過去に幾度となく誤数出荷を行ってしまっていたため、最終的に行き着いた方法がこの升目なのです。
ピッキング工程に他部品と見分けがつくように「サンプル」を掲示したり、他部品との見分け方を写真で解説したものを掲示したりといろいろな工夫がなされています。
当たり前のことですが標準作業が設定されていない物流現場では誤出荷は無くなりません。標準作業通りに実行しているかどうかを作業観察で確認していない現場でもミスは続きます。
とにかく物流品質を守るためには「当たり前のことを当たり前にやる習慣」が必要になります。打ち出の小槌など存在しません。
今一度物流現場を見てみましょう。もし標準作業が設定されておらず作業者任せにしていたとしたら危険です。
管理監督者が自分の職責を果たすことが物流品質向上への一番の近道なのです。