環境変化に対応する物流(2) 輸送のムダへの対応

特に荷主、着荷主の方には最近のトラック運転者不足の傾向についてもっと敏感になっていただきたいと思います。

前回ご紹介した通り、物流における人材不足は大きな課題です。しかし荷主、着荷主と物流事業者が共同で改善していくことでこの問題の解消が可能になります。

その一つがトラック運転者を本業に専念させる環境づくりです。トラック運転者の本業とはトラックにモノを載せて運ぶことにあります。

これ以外の作業があると、その時間だけ運ぶ時間が短縮されてしまいます。製造業では生産作業者がモノづくり作業に専念できる環境を整えることと同様、運転者にも専念させてあげたいものです。

そこで荷主、着荷主の方にはトラック運転者にどのような作業を行わせているのかについて考えていただきたいと思います。

たとえば次のような作業を行わせていないでしょうか。

・ 荷の仕分け作業
・ 棚入れ作業
・ 積荷のピッキング作業
・ 荷の生産工程への運搬作業

荷主、着荷主都合によるこれらの作業は自分たちの効率化になるかもしれませんが、トラック運転者にとっては本業以外の作業になります。

物流事業者との契約で対価を払って行ってもらっているのかもしれませんが、ここはお互いに見直すタイミングだと思います。

いつも申し上げていることですが、荷主、着荷主の都合によるトラックの待機時間はまったくのロスタイムですから、すぐにでも解消することが求められます。

また、トラックが同じ距離を走る場合にも時間帯によってかかる時間が変わってきます。渋滞があるからです。

このような時間帯を避けて輸送してもらうことが可能であるならば、その配慮も必要です。渋滞も輸送上の大きなロスになるからです。

輸送をアウトソースしている会社は輸送ロスを解消するために、物流会社といろいろな話を進めるべきです。

同業他社と混載をすることで今空いてしまっているトラックの荷台の6割を埋めることが可能になるかもしれません。

この活動がトラック運転者不足解消の方策となることは間違いありませんので。

次回に続きます。