先に記した原則論とは「顧客の立場から見た原則論」といえるかもしれません。逆の見方をすると、物流側はそのようには思っていないということです。
物流側から見れば、物流過程で生じた包装資材等の処理は顧客側で実施すべしという発想ではないでしょうか。
例に挙げた洗濯機の場合は届けたその場で空き箱が生じるので、そのついでに物流会社が廃棄物を回収しているとも考えられます。
引越も同様です。荷物を届けたときに発生する空箱は引っ越し業者が「ついでに」回収していると考えられます。
では別の例で考えてみましょう。B to B でよくあるパターンですが、顧客に部品が入った箱が届けられます。
顧客は部品を購入したのであって、箱まで購入したわけではありません。かといって、顧客の工場の入口で箱から部品を取り出して空箱は回収しますでしょうか。
このケースでは大半でそのようなことはしていないでしょう。その理由は、顧客の工場の中でもまだ運搬や保管があるからです。
運搬や保管工程では箱が無いと都合が悪いのです。
では工場内物流の過程で考えるとどうなるでしょうか。工場内物流は届けられた部品を今度は生産工程に運びます。
その時は多くの場合、工場に届けられた時の荷姿のまま生産工程に運搬します。では生産工程ではどうでしょうか。
ここは考える必要があります。生産工程はまさに「部品だけ」欲しいと思うでしょう。ということは物流は生産工程で箱から部品を取り出して、それを供給するとともに空箱はその場で回収する必要性が出てきます。
工場内物流はこのパターンが原則だと考えるべきでしょう。物流のサービスだと考えられる一方で、当たり前の仕事だともとることができます。
もしここで箱のまま部品を置いてきたとしたらどうでしょうか。しかもその箱が段ボールであったとしたらどうでしょうか。
部品を使った後に生産工程にはゴミが発生しますよね。これは生産工程が処理すべきなのでしょうか。
次回に続きます。