国土交通省によりますとトラックの有効活用率は40%を切っているそうです。つまりいつもトラックは半分以上空けて走っているということになります。
これは社会インフラを十分に活用できていないことを示しています。この率を向上すればトラックドライバー不足問題も解決してしまうかもしれません。
一方でトラックを有効に活用するからといって不要なものまで運ぶことは本末転倒です。よくありがちな話として来週の分までを合わせて運ぶという行為が挙げられます。
輸送ロットが必要以上に細かすぎるとトラックの有効活用率は低下しがちです。「しがち」と書かせていただいた理由は工夫次第で避けることも可能だからです。
工夫と改善をし尽くしたうえでロットを大きくすることはある意味で容認されるものと思います。しかし目先だけの現象をとらえてロットを大きくすることは決して好ましいことではありません。
今月分をまとめて1つのロットで運ぶことはいかがなものかと思います。これはまさに自分たちのことだけしか考えない物流の典型だといえそうです。
他の貨物と混載の余地はないのか。トラックのサイズダウンをすることはできないのか。輸送と倉庫を組み合わせて長距離は満載、配送は小ロットとする余地はないのでしょうか。
このように工夫をすることが顧客にも迷惑をかけずに物流を効率化する方法なのです。単に「ドライバー不足」とか「低積載率」という目先の現象だけとらえて工夫することを飛ばしてまとめ輸送を行うことは望ましくありません。
常に顧客の満足を満たしながらどのような物流サービスを効率よく実行していくかが物流担当者には求められているのです。
人材不足という厳しい時代に突入し、より仕事に工夫と改善が求められるようになりました。ここで改善と思ってやったことが身勝手な行為ととらえられないように気を配っていきましょう。
B to C でありがちな過度なリードタイム短縮などはもしかしたら供給者の自己満足である可能性があります。顧客はそこまで短納期でモノが欲しいかどうかは調査してみる必要があります。
過剰サービスは是正する必要があります。しかし守らなければならないサービスは何としても死守しなければなりません。
この加減についてはじっくりと考えて対処しましょう。顧客から明らかなサービス低下とみられるような対応は将来的に仕事を手放すことにつながりかねませんので注意が必要です。