サプライヤーと共同で取り組む物流改善(3) サプライヤー指導

私たちのタスクはサプライチェーン全体を効率化することにあります。決して物流だけを改善すればそれでよいということではありません。

ですからジャストインタイム調達を実施するにしても、全体の在庫のバランスと工場の生産性と物流について最適な解を求めていくことが理想です。

そしてここで外せないのがサプライヤーの存在です。サプライヤーの協力抜きにサプライチェーンの効率化はできません。

ですからサプライヤーと共同で取り組む改善となるわけです。一方でサプライヤーの立場で考えるとそこまで改善できる人材が乏しいということが現実問題として存在するのです。

物流の改善ができる人は限られていますが、その状況はサプライヤーでも同様です。それを補っていくのが皆さんだと考えて下さい。

サプライヤーに対して「ああしろ」「こうしろ」と口先だけでいう人が多いようですが、それでは改善は進みません。

なぜならサプライヤーとしても「無い袖は振れない」からです。人材がいなければ、ノウハウがなければやりたくてもできないのです。

この状況を察知してフォローできるのがプロの仕事人ではないでしょうか。自分たちのサプライチェーンを効率化したいのであれば、サプライヤーにこのように変わって欲しい、そのやり方はこうである、と適切に話のできる人が望ましいでしょう。

できればモノづくりのやり方についてもある程度の知識があり、それをセットで指導してあげたいものです。

在庫とか物流は何かしらの結果としてあらわれるものです。サプライチェーン上の淀みはその「何かしら」を顕在化させ、たたいていくことが改善につながるのです。

たとえばモノのつくり方やモノの買い方における問題点です。

そのために前後工程で同じ情報を使って同じ数量をつくって運ぶ。これがサプライチェーン清流化の基本でしょう。

ぜひ前工程であるサプライヤーと共同で改善ができるようにさまざまな手を打っていきましょう。その時のキーワードは皆さんの「サプライヤー指導」であることを忘れないようにしましょう。