会社としてのサプライチェーンの考え方が社内で統一されていれば、その考え方に従って進めて行けばよいだけのことです。
しかし必ずしもこういったサプライチェーンマネジメントを行っていく、といった共通認識が社内で徹底している会社ばかりとは限りません。
その場合、関連部署との軋轢が発生する可能性があるのです。工場の入口の滞留を解消するためにはサプライヤーからの一回ごとの調達量につきまして規制する必要があり、この規制の仕方次第では大きな課題が生じます。
たとえば現時点で週に3回納入してもらっている部品を毎日納入するとしたらどうなるでしょうか。単純に物量が変わらないにもかかわらず、納入回数のみ増やせばそこにかかる物流コストは原則として上昇します。
サプライヤーとの契約の窓口は工場ではなく、一般的に購買部門ということになると思います。そして単純な納入回数の増加を購買部門は望まないと思われます。
なぜなら購買部門のタスクは購入原価の低減であり、納入回数の増加は原価増となり購買の目的と逆行するからです。
つまり工場がジャストインタイム調達を行なおうと思っても、購買部門は簡単にはYesとは言い難く、この状態が続くと改善が進みません。
サプライヤーを指導し、近隣の会社同士で共同輸送を行ってもらうように仕向けることも一つの方法でしょう。
これはまさに購買部門の仕事だと思います。単純な価格低減だけが購買のタスクだと思っていたとしたら大きな間違いです。
これが難しければ、工場側が荷主になってサプライヤーに部品を引き取りに行くことが必要になるでしょう。
これは少々骨の折れる仕事ではありますが、サプライチェーンの清流化には大変効果のあるアイテムだと思います。
当然購買部門がやらなければならない仕事も増えますから、そこでの業務の壁がまた生じることもあるでしょう。
でも会社全体の利益のためならば動かざるを得ないこともあるはずです。
次回に続きます。