物流を生業としている会社も、社内で物流サービスを行っている会社も顧客に対して喜ばれる物流商品を提供する必要があります。
物流事業者であればそのような物流商品があれば、利益率が高い価格で売ることが可能です。社内であれば物流に対する評価が高まり、より優秀な人材を投入してもらえることでしょう。
物流に限った話ではありませんが、誰でもできる仕事を行っている限り、特別喜ばれることもなければ高いお金を払ってもらうこともないでしょう。
このような話があります。ホームセンターはどこでもスコップを売っていますが、この価格は高くはありません。なぜならスコップを生産することに特殊な技術は必要ないからです。
しかし大雪が降ったとしたらどうでしょうか。それがないと言えの前の雪かきができず、外出もできなくなるとしたら。
大抵の人は多少そのスコップが高くても購入するでしょう。多くの人が購入しますので品薄にもなります。
そうなるとホームセンターが普段の10倍の値段にしても売れると思われます。現実問題として日本ではそのようなことを好みませんので、急激な値上げは避けると思いますが、経済原則では10倍は合理的な価格設定かもしれないのです。
では物流について考えてみるとどうでしょうか。輸送を例にとって考えてみましょう。日本には実に約6万3000社の運送事業者が存在します。
この運送会社で輸送を行ってもらう場合、企業間でサービスに大きな差は出ますでしょうか。実際のところ輸送サービスに大きな差はありません。
地点から地点へと運ぶだけのサービスでしたらどこの会社でもできます。つまりサービスに差がなく、日常生活で購入する物品と何ら変わりはありません。
このような物流商品の場合、企業間競争の結果として価格は事業者が考えている以上に低いポイントに落ち着くことでしょう。
つまり地点間運搬だけの輸送サービスは「コモディティ」に過ぎないということになります。結果的に会社の利益向上にはつながりにくい商品だということになります。
もし売上だけを伸ばしたいのであればこのような商品だけを提供することもあると思います。しかし従業員の給与を上げ、より優秀な人材を確保したいのであればまだまだ商品力を上げなければなりません。
次回に続きます。