からくりカイゼン 第7回

からくりカイゼンの6つのコンセプト

 からくりカイゼンは、なるべくお金を使わないで、私たちのもっている知恵を出し合い、遊び心をもちながら楽しくモノづくりを進めるものです。ひいては最大の投資といえる教育投資につながり、職場の活性化にも役立ちます。今回は6つのコンセプト(こだわり)を紹介します。

➊アクチュエーターの数をできるだけ少なくして、シンプルなメカ構造を考えることです。例えば、1つのシリンダーの上下の動きを使って、上下の動きだけでなく連結したカムを回転させて複数の動きも行わせる考えです。あるからくりカイゼンのトップランナーの工場は、1つのアクチュエーターで3つの働きをもたせよう!と言い続けていたら、4つの動きもできるようになったそうです。一石二鳥ではなく、一石三鳥や四鳥の発想です。

➋原動力となる重力が、人力を巧みに利用します。またコンベアなど設備のそのものの動力、戻り、返りの動きを流用して、台車の移動やワークの反転や排出などもやってしまうものです。立っている人は親でも使えと言う考えです。ムリのない作業姿勢にしましょう。

➌ワークの移動を最小にする考えです。極端な話ですが、加工・組立・検査を1ヶ所でやってしまうと、ワークの入れ替えや搬送も最小で済み大幅な工数短縮になります。シンプルな機構の組み合わせで可能になります。

➍万能の機械を狙うのではなく、機能をまず特化して小型化を狙います。小型にすることでシンプルにせざるを得なく、逆に新たな発想も浮かんできます。これをレゴのように組合わせていきます。レゴは1つひとつが正確にできているので、いくら積み上げても確実に直角平行に組合わせることができます。そして、➌のように工程を連結させていきます。

➎メカを主体にして、身近な材料を活用します。エレキは電源が要ります。配線も必要となります、まずメカでやってみて上手くいくようになってから、必要に応じてエレキやエアーも組み込んでいきます。基本は、メカの組合せで訓練します。

➏10個のからくりの原理原則を上手く活用します。この10個のからくりは、テコや滑車などがあり、実は私たちの日常生活に溶け込んでいる原理原則ばかりなのです。今まで意識をして何の原理?と考えなかっただけです。意識をすることで、目からウロコのようにわかってきます。大いに活用しましょう。

(次回に続きます)