工場物流の誤解と正解(6) 付加価値の高い仕事

工場物流の誤解とは「受け身で仕事をする」ことである、と言えるのではないでしょうか。やはり構内物流でお示しした通り、物流は主体的に仕事に取り組む必要がありそうです。

よく物流のステータスが低いという話を耳にしますが、厳しい言い方をすればそれなりの仕事しかしていないのでそれなりの評価しか受けないと考えるべきでしょう。

「この部品を運んで」と言われたから運ぶのではなく、「この部品を使って生産を開始するタイミングだよ」と物流が運びながら指示を出すのです。

より付加価値の高い仕事をすることが求められています。これは物流に限ったことではありませんが、私たち物流に携わる者はこの要求に応えるべきです。

工場物流は「ムダである」。これも誤解です。確かに運搬はムダです。しかしこの誤解も付加価値物流を実施することで解消されることでしょう。

工場物流は「コストである」。よく言われがちな言葉です。まだ「物流=コスト」と考えている人が多いことも事実です。

この背景には一刻も早く物流を無くしてコストダウンをしなければならないという考え方があります。

確かに工程設計を上手に実施することで運搬を解消することは重要です。自動運搬車を導入することで省人化を図ることも大切です。

しかし物流にかけるコスト以上に工場前提でメリットが出ればある意味物流でコストをかける意義がありますよね。

あえて「物流でコストをかけて」生産工程で儲けるという手法もあって当然です。たとえばキット化や小刻み供給などがその例です。

物流はとかく誤解されがちな仕事です。それで肩身の狭い思いをしている人も少なくないと思います。しかしその状況を解消するためにはもっと付加価値の高い仕事をするしかありません。

今まで紹介してきたような業務こそが工場物流の正解業務だと言えます。繰り返しになりますが、誤解の解消のためには付加価値物流を実施していくしかありません。

プライドを持って前向きに物流業務を行っていきましょう。工場の効率は物流の仕事の仕方でガラッと変わります。

それが会社利益押し上げに貢献するのですから、ぜひ真剣に取り組んでいきたいものです。