からくりカイゼン 第4回

簡易自働化とからくりカイゼンの関係 その4

 自働化とは機械に人の知恵をつけ、異常が起こると自らそれを検知し、自ら止まる機能をもつことです。工場の中には多くの機械や設備がありますが、自働化の機能が付いたものはいくつあるでしょうか?

 そういう目では見たことがなかったなあと思われたら、良い機会ですので一度点検しましょう。現時点での自分の工場が、そのような視点で機械設備を発注していたのか、またたまたまその機能が付いていたものがあったなどがわかります。

 今までの機械設備の発注していたやり方、つまり異常を知らせる機能があるか、異常があればすぐに止める機能があるか、などがわかってきます。これがわかれば、次に導入する機械設備に予めその機能をつけることを義務化しましょう。そのままやればコストが上がりますので、メーカーに事前に説明し交渉することでメーカーを教育することもできます。

 メーカーは、切る機械なら切ることの機能に注力して機械設備を製作しています。工場で点検、整備、清掃、給油、段替えなどがしやすいことは、往々にして二の次になっています。その事例として、メーカーの営業マンにシングル段替えをやってみて下さいと言っても、できないことがほとんどです。

 自働化の簡単な方法として、今ある機械設備にセンサーをつけて異常があればすぐ止まる機能をつける、停止したらすぐにアンドン(赤、黄、緑)を点灯する、ブザーをつけるだけでも自働化になります。それだけでも垂れ流しになっていた不良を止めることができます。

 つまりこのような着想があるかないかで、随分違うことに気づかれると思います。それならすぐに実践してみましょう。いいね!と思ってすぐに実行する人は、10人に1人以下だそうです。実にもったいない話です。生産に追われるだけでは、進歩や成長はできません。

 コンサルティングしてきた工場は、からくりカイゼンを目的にやろうとしていた訳ではありませんが、人財育成そのものではなかったかと思います。提案制度も個人提案からチーム提案に切り替えてもらい、チームで考え合意を取るやり方に替えて多くの人がかかわれるように仕向けました。

 「時間がない、人がいない、金がないからできない」と皆さんは言い訳されますが、誰一人「私はアホですからできません」とはおっしゃいません。現状維持からやり方を変えることです。その良いチャンスが自分の心の扉を叩くことです。

(次回に続きます)