工場物流の誤解と正解(4) 構内物流による生産コントロール

工場において構内物流が生産をコントロールするなど思いもよらない、という方が大半でなないでしょうか。

従来から物流は受け身の仕事ばかりを行う傾向にあります。運んでくれと言われれば運ぶ、倉庫に保管しておいてと言われれば保管する。

このような他からの指示に基づいて仕事をしてきたのが物流ではないでしょうか。しかし物流は他からの依頼を受けて動くだけの存在ではありません。

むしろ工場では生産コントロールを行うという、指示する側に立っていると考えるべきです。構内物流の仕事はズバリ「生産管理」だからです。

ではどのようにして生産コントロールを行っていったらよいのでしょうか。その最たるものが「供給作業」を通して行う生産コントロールです。

工場の生産にはそのための部品や資材が必要です。物流はそれらの供給を行いますが、生産コントロールを行うに際して必要な要件が2つあります。

1つは必要な部品などを必要な数量だけ生産工程に届けることです。多すぎても少なすぎてもだめです。
生産計画が100台だったら100台分の部品を届けるのです。

これによって生産工程は生産計画通りの台数を生産することになります。ある意味で当たり前のことですがこれが守られていない工場はたくさん存在します。

もし物流が120台分の部品を届けたとしたらどうでしょうか。

場合によって生産工程は120台生産してしまうかもしれません。これは「つくりすぎのムダ」になりますよね。それを物流が物理的に防止しているので生産コントロールができていることにもなるのです。

もう1つは必要なタイミングで供給することです。できれば生産計画に基づき生産工程が生産に着手する直前に届けることです。

なぜならあまり早く届けすぎると生産工程は早期着手し、完成品在庫が一時的に膨れ上がる可能背があるからです。

このように構内物流は自らの仕事を通して生産コントロールを行うことになります。では他の方法で生産コントロールは可能でしょうか。

実はもっと簡単な方法もあります。
それにつきましては次回ご紹介したいと思います。