物流の実力を知りたい方へ(3) ベンチマーク活動の実施

物流の実力をさまざまなKPIを使って判断することは重要なことです。恐らく多くの会社では物流に関するKPIは設定されていないと推測されます。

しかしもしKPIもなく、成り行きで仕事をしているとしたら、それは早急に改めなければなりません。なぜなら今の状態は「管理状態にない」ということですから。

まず自社の物流の実力を判断する質問として、以下を挙げますので考えてみて下さい。

・ 現状の物流コストを把握していますか
・ 物流の生産性について数字で示せますか
・ 物流に経営者は関心がありますか


これにすべてYesと回答できなければ実力は十分どころか、基礎から考え直さなければならないでしょう。

ある程度数字で示せるようになったとしたら、他社の情報を入手し比較してみることです。いわゆるベンチマーク活動です。

日本では残念ながら体系立てて物流のデータが開示されていません。ではどうしたらよいでしょうか。

一つには他社を見せてもらうことです。物流の見学会は探せば見つかると思います。そのような機会に数多くの会社の物流を見てみましょう。

もう一つ、他社の方と物流に関する情報交換を積極的に行うことです。皆さんの会社が所属する業界には必ずと言ってよいほど「業界団体」が存在します。

その団体に行けば同業他社の人と知り合うことができます。そこで親しくなり、情報交換を行うのです。物流が本業でなければこの情報交換は非常に有意義でしょう。

そして物流について協業も可能になるかもしれません。

できれば業界団体で共通の物流KPIを作成し、加盟企業にアンケート調査をしてみてはいかがかと思います。これを仕掛けることは大変かもしれませんが、業界全体の物流に実力を向上させるという意思があればできないことではありません。

いかがでしょうか。自社のポジションを明らかにし、他社に比較して劣っている部分は早めに手を打つ。強みはどんどん伸ばしていく。

物流を数値化して評価することで初めてこのような活動ができるのです。ぜひ積極的に物流の実力把握と改善を進めていきましょう。