物流作業をシンプル化せよ(2) 5Sを徹底し迷わせない

物流サービスが顧客の仕事をシンプル化させ、それが技能向上のサポートに役立っていることは前回ご紹介した通りです。

ポイントは組み付け作業時に「考えさせない」、「判断させない」という点にあります。なぜならこの行為には技能が必要で、その習得には一定の時間を要するからです。

今度は物流自身のことを考えてみましょう。皆さん身に染みて感じられていると思いますが、物流業はなかなか人集めに苦労する業界です。

魅力に欠ける点があるから人が集まらないということは事実かもしれません。しかし魅力ある仕事にしていくとともに、入ってきた人にはやりがいを持って働いてもらう環境を整備していくことが必要でしょう。

せっかく入社してくれた作業者の方にはできるだけ早く一人前の仕事をして欲しいものです。それが作業者のやりがいにもつながります。

だからこそ管理監督者の方にはそれが可能となる環境整備をしていただきたいと思います。そこで考えていただきたいのは先の「考えさせない」、「判断させない」ということです。

物流現場でよく見かける「迷い」。これは考える、判断する結果として問題化しているのです。作業者は間違いを犯すことを恐れます。それが顧客に迷惑をかけるし、会社にも損害を及ぼすこともあり得るから。

最初に徹底すると良いと思うのが「5S」でしょう。どこに何がいくつ置いてあるかが現場にいてすぐわかる環境整備です。

同じものを複数箇所に置いておくと、どちらを先に出庫すべきかの判断が必要になります。食品を扱っている会社では消費期限を前後して出荷してしまったら大変なことになります。

これが作業者にはプレッシャーになるのです。先入先出が確実にできるように5S活動を通して仕事のシンプル化に寄与したいものです。

製品の入った段ボールも時間がたつと汚れたり劣化したりします。その結果作業者がその段ボールを出荷してよいのか否かの判断が発生します。

自分で判断がつかなければ上司に判断を仰ぐことになります。

在庫コントロールをしっかりと行うことでこのような余分な判断作業が発生しないようにしていくことも管理監督者の仕事になります。

次回に続きます。