我が国では昔から物流の地位は低く見られています。メーカーの中では物流は重視されてきませんでした。そのため物流スタッフも育たずに改善したくてもできない状況にあります。
物流事業者は就職先として魅力ある業界とは認識されていません。学生も学校で物流にかかわる勉強をしてきたとしても物流事業者に就職する人は少ないと思われます。
このトレンドは私たち物流にかかわる者が変えていかない限り延々と続くものと考えられます。すべては私たち次第だということになりますね。
物流の大切さ、物流活動の効果についてしっかりと発信していくことが求められるわけですが、それとともに物流人財を高度化して行くことが求められます。
ということで物流スタッフをどのようにして効果的に育成していくかについて考えていきましょう。
第一に考えるべきは今の物流スタッフをさらに伸ばしていくことではないでしょうか。そのためには物流スタッフに欠けている点を補填していくことになるでしょう。
物流スタッフに不足している点としてコミュニケーション能力を真っ先に挙げたいと思います。特に物流事業者の場合は顧客獲得という命題があり、その基礎力としてコミュニケーション力が必要になるのです。
人見知りする、人と話をするのが苦手などといった性格的な要素はあると思います。しかし仮に話が下手でも話の内容が的を射ていれば顧客も話を聞いてくれます。
そこで「顧客にミートする話」とはどのようなものなのかについて訓練していったら良いのではないでしょうか。
顧客にミートする話は顧客ごとに異なりますが、特に共通して気にしている「輸送効率」、「保管効率」、「在庫」などについての知識を教え込んでいったらいかがでしょうか。
そのために「輸送効率」の定義をする必要があります。それをブレークダウンすると「実車率」、「回転率」、「積載率」というKPIになります。
それぞれについて分子・分母を明らかにするとともに顧客の業界でのおおよそのデータを入手し、それをもとに顧客と話をさせるようにしてみてはいかがでしょうか。
「保管効率」についても同様にその言葉の示す意味について定義する必要があります。たとえば床面積に占める保管場所面積の比率とか、建屋総容積に占める保管物の総容積の比率のようなKPIを決めるのです。
同様に顧客の業界でのおおよそのデータを調べ、その数字を使って顧客と話をさせるようにします。
これは顧客が求めている情報への回答にもなります。また数字で話をすることによって顧客からの信頼度も高まります。
ですから他の事項についても同様に考え、数字を入手しながら話を進めさせるように育成していくようにしていきましょう。
次回に続きます。