新・虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第19回

ヨーロッパは気軽に国外旅行できます

● 日本では海外旅行になりますが、ヨーロッパは陸続きです
 今はコロナで大変ですが、3年前までは日本への海外旅行者が年間1000万人から3000万人以上と一気に増えてきました。この田舎の鳥取でもそれを感じます。自宅から2つ駅となりのコナン駅には、米子倉吉方面からの列車(山陰線はまだ電化されていません)海外の旅行者が目立つようになりました。
 数年前には外国人は見たこともありませんでした。名探偵コナンのお陰で、観光客がたくさん来るようになったのです。3年前の連休には、コナンの作者である「青山剛昌ふるさと館」に、休みの前半だけで例年以上の来場者があり、土産物がすべて売り切れて後半は何も売る物がなく、大きな機会損失になりました。
 工場も休みなので、出荷もできなかったそうです。インバウンドの影響で、民泊の需要、タクシーの言語翻訳機の導入、列車の車内放送も日本語、英語、韓国語、中国語になり、施設の案内板、ホテルの注意書きも多数の言語で表記されるようになりました。
 以前洋上大学という研修で、香港から横浜まで船の旅をしたことがありました。船内での研修でしたから、逃げ場のない缶詰状態で、しかも暴風雨の中であり数万トンの巨大な船も大揺れでした。そのせいで船旅がトラウマになりました。
 出張や旅行も日本では当たり前に「海外」がつきますが、ヨーロッパでは陸続きであり、海外とは言わずに日本語で言えば、国外旅行になります。通訳に訊ねてみると、単に旅行ということで、いかにも日本で行く海外旅行が身近なものかがわかります。
 日本では、成田空港、羽田空港、関西空港が主な海外への渡航の出発空港になります。地方の空港も一部海外への渡航も可能ですが、限定されています。ところがドイツですと、少し大きな都市から簡単にヨーロッパ各地に渡航できます。
 アパートのあるデュッセルドルフ空港までは、アパートからタクシーで10~15分(約20ユーロ)で行くことができます。ハンガリーに行く時、空港でパスポートを忘れたことにきづき、慌てて空港からアパートを往復しましたが30分もかかりませんでした。でもタクシーの運転手には、50ユーロのチップを弾みました。
 デュッセルドルフは、人口約60万の街ですが、市内中心からすぐに空港にアクセスできます。この点はドイツの空港はとても便利です。一番厄介なのが、大都市のベルリンとミュンヘンです。時間帯によっては2倍、3倍もかかることがあります。

● 飛行機の運賃が格安で、大抵は1万円前後ととても安い
 デュッセルドルフからスイス、ハンガリー、イタリア、ギリシャ、オーストリアなどヨーロッパの主要都市に直接行けます。しかもほとんど1時間から1時間半で行くことができます。さすがにギリシャへは3時間かかります。
 デュッセルドルフから出張で一番遠かったギリシャのアテネまでが、エコノミーで片道2万円です。クロアチア、スペインでも1万円以下でした。ヨーロッパの友人たちは、1週間のバカンスがあるとすぐに出かけます。しかもレンタカーも安いので自由にいくことができます。ただし、英国は日本と同じで車は左通行で反対になり、慣れないので避けているそうです。
 日本からヨーロッパまでは、およそ12時間です。ヨーロッパでの飛行機の移動は、1時間であればエコノミーも全く問題になりません。今ではインターネットのお陰で日本からでも、飛行機の運賃が簡単に確認できます。いかに安いかがわかります。
 鳥取から羽田の片道料金で、デュッセルドルフからスペインに往復旅行ができます。なぜ日本の航空運賃が高いのでしょうか?答えは、競争がないからです。ようやくLCCと呼ばれる格安航空会社がたくさんできて、チケットが随分安く入手する機会ができました。早期割引制度は充実しつつありますが、もっと企業努力できると考えます。
 でも飛行機では、最も重要視されるのが安全性です。ジェット機の事故は、240万回に1回ですが、運賃の高いJALやANAは、国際運送協会に入っており事故発生は、840万回に1回と3分の1になっています。運賃か安全か?命は一回限りですので、やはり安全という安心が大事と思います。
 2015年3月24日に、ジャーマンウィング航空の墜落事故というより事件がありました。副操縦士が自殺しようとして乗客を道ずれにした事件は、ルフトハンザ航空のLCCの会社でした。すぐに名前をユーロウィング航空に替えました。亡くなった人の中にデュッセルドルフ在住の日本人男性、出身が鳥取県東伯郡、60歳代とリストに上がり、まさに私自身と条件が一致していました。
 多くの電話とメールがきましたが、実は自宅から数km離れたところに亡くなった方の実家があり、しかも同じ学校の先輩でした。LCCは、搭乗する人たちは親会社から下請け扱いされており、少しひがんでいるとも聞いたことがあります。副操縦士は、病気持ちでしたが隠していたなどの疑惑がたくさんでできましたが、LCCは安全面で少し心配です。

● 現地の人は車でも飛行機でも、休暇の旅に旅行に出掛けます
 日本からでは車で海外には行けませんが、ヨーロッパは陸続きなのでどこでも行けます。レンタカーの制度も充実しており、簡単にしかも安く使えます。ドイツ国内はアウトバーンなので、快適に車を飛ばせます。他の国もEUになってから高速道路を充実させており、国境の検問もなくスムースに移動できます。
 鉄道の貨車に車を乗せて、現地まで移動し、現地で自分の車を運転することもよく見られます。またキャンピングカーもとても充実しており、1000万円クラス高級な車両も当たり前に皆さんが乗っています。それには必ずというほど、自転車も後ろに載せています。年間6週間の有給休暇を、すべて消化しなければなりません。仕事よりも家族との休日をいかに過ごすかという、ヨーロッパの人たちに学ぶことも必要だと思いました。