倉庫内物流作業改善(3) 「間締め」の取組

倉庫内作業で気を付けなければならないことがあります。それは効率的にエリアを使うということです。エリアが十分にあると必要以上に「のびのびと」使うことが考えられます。

エリアは不足していることも困りものですが、広すぎても効率を落としがちです。ちょっときつめかな、と感じるくらいが丁度良いと考えられます。

皆さんの会社のピッキング場で通路幅はどれくらいでしょうか。本当に効率を上げようと考えている会社では1m未満が大半です。

しかし効率を真剣に考えずに設計すると1.5m~2mくらい取ってしまいます。よくある理由が2台車すれ違えるため、と言われますが、これは意味はないと思います。

まず台車同士がすれ違う現象がどれくらいの頻度であるか、ということを考えてみましょう。一般的にはそれほどないと思われますが、一日に何度もあるようでしたら「人が多い」のではないかと疑ってみる必要がありそうです。

むしろ通路幅を縮め、一方通行にするとともに作業編成を考えて人と人が干渉しないように業務指示を行うべきだと思います。

梱包作業場も一緒です。エリアがあるからと言ってのびのびと使うのではなく、極力「間締め(まじめ)」を行い作業者の動く範囲を縮めなければなりません。

もし皆さんの会社がメーカーであれば生産現場を見に行きましょう。多分そこでは「間締め」が行われていて作業者の歩行は極小化されているものと思われます。

メーカーでない場合はどこかの製造会社に見学に行きましょう。思想は同じですから生産現場でも物流現場でも作業者が動き回らないような工程設計を実施していきたいものです。

作業者に万歩計をつけさせている会社があります。同じ作業をやらせても歩行に差が出る場合があります。その要因として業務指示が十分でないため作業者の裁量が大きすぎる可能性があります。

あるいは時間に余裕があるため必要以上に歩き回っている可能性もあるでしょう。ここはどちらかというと現場管理の課題です。

会社として明確な作業ルールを設定し、それを守らせるようなしかけづくりが必要です。これも倉庫の生産性向上に効いてくるアイテムですからしっかりとした取り組みを心がけましょう。

いかがでしょうか。倉庫内物流作業改善への取組の必要性についてご理解いただけたのではないでしょうか。すでに十分な取組を継続している会社もあります。

ぜひ他社に負けないように積極的に作業改善を進めていきましょう。