倉庫内物流作業改善(2) 付加価値作業比率を向上させる

倉庫内作業で注意しなければならないことは低付加価値作業と無付加価値作業を明確化し、それらを減らしていくことにあると思います。

倉庫作業の中で付加価値作業とは何でしょうか。それはピッキング作業であり顧客の指示に基づく入出庫作業であり、保管作業ということになるでしょう。

一方で低付加価値作業、無付加価値作業とは何でしょうか。「作業」ですから人の動きに注目してみましょう。

倉庫の中で最も気を付けなければならないことは「探す」という行為です。この行為からは全く付加価値が生じません。

付加価値があるかないかの判断基準として「お客様にお金を払っていただけるかどうか」という考え方があると思います。

一番手っ取り早いのは自分がお客様だったとしたら今目の前で行われている作業に対して「対価」を払えるかどうかを考えてみることです。

先ほどの「探す」作業、倉庫内を「歩き回る」動作、他の作業者との「立ち話」などはいずれもお金を払って行って欲しいとは思わないものではないでしょうか。

こういった作業あるかは動作の中でも付加価値作業を行うに当たって付随的にやらざるを得ないものがあると考えられます。

たとえばピッキング作業における棚間歩行やオーダーシート確認、カート運搬などです。これらを改善することはできますが必ずしも無くすことができるとは限りません。

でもまずは無くす方法をとことん考えましょう。少なくとも「探す」作業は撲滅が必要です。そのためにはロケーションの明確化やわかりやすい表示付などで解消が可能です。

普段当たり前に実施している倉庫内物流作業について一度は稼働分析をやってみると良いでしょう。稼働分析を実施することで付加価値作業の比率がいかに低いか驚くのではないでしょうか。

稼働分析結果をグラフにして現場に貼り出し、全員で今のレベルを認識することが必要です。これを徐々に改善し、付加価値比率を向上することで作業員の方たちのモチベーションを上げていくことも重要だと思います。

ピッキングミスを減らすことで誤出荷低減につながります。誤出荷を発生させてしまうと正規商品を再発送するとともに、誤品の引き取りが発生します。会社の評判も悪くなることが考えられますから、物流品質にはくれぐれも注意したいところです。

そのために他商品との違いをわかりやすく表示したり、類似商品の置場所を離したりすることも倉庫内改善の一つです。

次回に続きます。