パッケージングエンジニアリング(3) 荷姿は物流技術だ

顧客の荷物を日々取り扱っている物流事業者は顧客のパッケージングについて「もっとこうしたらよいのに」という気づきが必ずあるはずです。

もし何も気づきが無いのであればそれはパーフェクトなパッケージングというよりも、物流事業者の認識の方に問題があると言えるかもしれません。

物流の現場では常に改善すべき点が転がっています。まったくの隙が無いほど改善されている現場は皆無と言ってもよいでしょう。

輸送に際してトラックの荷台に隙間ができるようなパッケージングには問題があると考えましょう。本来であれば荷台にぴったりとはまる荷を設計することが必要です。

つまり荷台の輪切りでパッケージングモジュールを作っていくことが輸送効率の決め手となる、ということです。

これに一番気づいていると思われるのが物流事業者なのです。繰り返しになりますが、気づいていなければそれは物流のプロとして問題ありということになります。

一方で輸送効率を向上させてしまうと売り上げが落ちてしまう、保管効率を向上させてしまうと倉庫収入が減るという理由でパッケージング改善の提案をしない事業者であれば、またそれはそれなりのレベルの会社だと言わざるを得ません。

これからの物流事業者は物流のプロとして顧客に提案・アドバイスできるスキルが求められます。顧客の立場から本当に「頼れる物流会社」であって欲しいわけです。

パッケージング改善を行うことで輸送効率が向上し、トラック台数を減らすことができます。その結果としてドライバー不足への対応とCO2削減への貢献が可能となります。

パッケージングエンジニアリングという名の通り、この業務は「技術」なのです。いわゆる物流技術の中心的存在なわけです。

皆さんは物流を技術としてとらえているでしょうか。それとも単純なものの移動と考えているのでしょうか。実はこの認識が物流の地位を向上できるかどうかにかかっていると言っても過言ではないのです。

この技術を駆使することで今物流業界が直面している問題点の解消につながります。ですからこのパッケージング改善には本気で取り組む必要があると思います。

パッケージングエンジニアリングは物流の中で最重要業務です。同業他社のパッケージングを研究し、その上を行く荷姿を作り上げていきましょう。同時にこの業務ができる人材を育成していきましょう。

意識的にこの取り組みを実行できる会社こそが効率的サプライチェーンを実現でき、業界として生き残っていくことが可能となるのでしょう。