虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第7回:それが限界ですか?と一歩踏み込む(その2)

好奇心という心の扉を開ける鍵をもっと使いましょう

今から思うと当時はお金がなかったのですが、自由な時間はあったようです。このために普段はできない限界に挑戦するやりがいを持ったのかもしれません。企業に入ってからは、これが非常に役に立ちました。壊れるまでやってみると、その材質の実力、機構としての限界能力などが、自分の体験知として頭に刻み込まれます。何よりも挑戦する気持ちを持ち続けることができたことが、大きな財産になりました。
 
現在は調べものがあると、すぐにインターネットで検索をすれば簡単に情報を入手ができます。バーチャルでの情報でなく、実際に体験してみるという大切なことが、おろそかにならないか心配になってきます。現地現物に加えて、「それが限界ですか?」という投げかけを一つ加えてみることで、今まで気づかなかったものやことが見えて来るものです。その扉の鍵は、好奇心です。その鍵は、使ってみようと思うといつでも使えます。
 
さらに切り開くという有り余る気持ちは、いつも心の中に潜んでいます。全体像の先に見えなかったものが見えるのは、限界という今までの思い込みや固定観念、それが限界だという壁を打ち壊すことです。また最後まで使い切るという姿勢があると、愛着も湧いてくるものであり、寿命もきっと延びることでしょう。