虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第50回:目は口ほどにものをいう(その1)

魚を買うときは、目を見て生きの良いものを選びます

 得意料理の1つに鯛のカブト煮があります。スーパーで切り落とされた鯛のカブトやアラを選ぶときは、まず目が生き生きとして新鮮であるかを確認します。あとは触ってみて弾力も確認しますが、なんといっても魚は目を見るとこでほぼ間違いのない選択ができます。
 スーパーで売っている魚は、賞味期限がまだ十分にあるものでも、時々期限の書き換えや間違いもあります。ですからやはり現地現物で手に取って、確認することが大切です。ある時大きさの割に安かったのでおもわず買ってしまい、料理したものの生きが悪くて結局捨てざるを得なかった苦い経験がありました。それ以来失敗をしないためにも、目には目をこらし念には念を入れて買うようにしています。
 魚も組織も頭から腐るという諺は、よく欧州でも使われています。企業の寿命を決めるのも8割がトップの責任ともいえるほど、頭つまり目を見れば企業の良し悪しがわかるというものです。直接魚の卸の店に行けば、本当に新鮮な魚を提供してくれます。生きのいい魚のことを、目が生きているという言い方もします。でも秋刀魚だけは、口先が黄色のものが新鮮さを示すといわれるので、口先を確認しています。
 目にまつわる諺を集めてみますと、岡目八目、魚の目に水見えず人の目に空見えず、目で見て鼻で嗅ぐ、目と鼻の先、目からウロコが落ちる、目で目は見えぬ、目の上のたんこぶ、目から耳にぬけるなど70件もありました。諺は昔からのことを上手く言い当てて表現されていますが、「事技(ことわざ)」と言い替えてもよいくらいです。

図1. 魚の生きのよさは、目で判断できます
図2. 満面の笑顔で挨拶をしましょう