物流ノウハウをふんだんに持ち合わせた会社はそれほど多くないのではないでしょうか。昔から物流業務の標準化は遅々として進んでいません。
その影響か物流スキルも俗人的な場合が多く見られ、その人がいなくなったら業務に支障が出るケースが出てきています。
ノウハウの伝承は簡単ではないかもしれませんが、企業の永続的な存続を考えると少しずつでも良いので後輩に教え込むことを始めた方が良いと思います。
標準作業書が作成されていない会社ではその作業の手順と要点を一回書き出してみましょう。書き出してみるとその作業の修正ポイントも見えてくる可能性があります。
もちろん、書き出したものがそのまま後輩に対する指導書になることもあるでしょう。やはり教えるためには「書き物」は必要なのです。
その「書き物」を手にしながら仕事をやって見せ、やらせて見せて確認するというプロセスを踏むことが必要でしょう。
実際にやらせる前に指導書を読ませて「説明させる」というプロセスを入れるともっと良いと思います。
自分しかできないと思われる作業を持っている人は優先的に仕事を書き出してみましょう。あるいは自分の作業をビデオに撮ってもらうことも効果的です。
その職場の人たちが集まって、撮ったビデオを使った勉強会を開くのです。そしてその作業について意見を出させます。
自分だったらここをこうする、とか、安全上ここをこうした方が良い、といったようにディスカッションするのです。
普段はなかなか他の人の仕事をじっくりと観察する機会はないと思われますので、できるだけ積極的に勉強会の場を設けると良いでしょう。
運送作業であればドライブレコーダーを使った勉強会も可能です。また、デジタコで診断される評価が優秀な人の運転状況を確認することもよい勉強になりますし、後輩に対する良いお手本にもなるのです。
次回に続きます。