虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第45回:~~しないで○○するという発想をしてみる(その1)

「~~はないが、○○はある」という平井鳥取県知事の逆転の発想

 鳥取県が、一躍有名になったキャッチフレーズがあります。それは、「鳥取にスタバはないですが、日本一のスナバがあります!」です。この時はお隣の島根県に初めての「スタバ」ができてしまい、とうとう「スタバ」のない県が鳥取県だけになった時の平井知事の見事な切り替えしのキャッチフレーズです。
 平井知事は、どんなニュースやネタもお得意のダジャレで切り返されます。同じことでもストレートに表現しても、相手の心に残らないものをダジャレという捻りを加えることで、思わずニコっとなってしまい心に残るものです。
 鳥取県はご存知の通り、人口は60万人もいない全国最小県です。でも小さい県ゆえに隅々まで目が届き、意思疎通もすぐにできるとメリットが出てきます。知事は、いつも「~~はないが、○○はある」という逆転の発想をしておられます。いつもそのように意識されているので、ダジャレも小気味よく出てくるものと考えます。県民もそれをいつも楽しみにしています。
 会社や工場で、「改善をしましょう」と提案しても、経営者からは「お金がない、時間がない」などとできない理由を口にされます。実はご本人の意思や勇気が欠けていることがほとんどです。今いる社員をもっと活用すれば、たいていのことは可能になります。
 そこで考え方を変えて、部下もっている力をさらに活かす考えに切り替えてはどうでしょうか。部下を踏み台にして仕事をするのではなく、自分以上の人間を何人育成したかを評価基準に変えて、部下たちから慕われて押し上げられる地位になっていくことが本来の姿かと思います。

図1. テコのようにちいさいけど大きく変化させます
図2. ダルマだって手をだしたくなります