乾杯の時にグラスをお互いに当てますが、その意味はご存知ですか?ほとんどの人は考えたことがないようです。そこで、2つの答えを紹介します。1つは、グラスの中に悪魔がいるのでそれを追い出すためです。これは欧州人に教えてもらいました。もう1つの答えは、食事の時に見る、味わう、匂いを嗅ぐ、触るがあるが、あと足りないとして音がないことに気づき、グラスを当てて音を出して五感を使うというものでした。本当はどうかはわかりませんが、食事にはユーモアも必要だったのでしょう。
人の持つ五感の内の聴覚ですが、人が聴き取れる音の周波数は、20から20万Hzの範囲と言われています。音階のドレミファソラシという音階の周波数は、260から493Hzの領域で周波数の比較的低い範囲です。音波は空中では、340m/秒で伝わりますが、海中だと1500m/秒と4倍以上も速く伝わります。クジラには、耳は目の後ろにあるらしいのですが、穴がふさがっており機能はしていないのです。顎の下の脂肪で、感じ取っていると考えられています。
耳で聞こえない高周波でも、人は耳以外で感じ取ることができるのです。伊勢神宮の20年に一度行われる式年遷宮を撮影した、映画「うみやまあひだ」(海と山の間の国を意味する)を観て感動しました。1300年前から神聖な場所を、オシロスコープもない時代にこの場所を発見し、この神聖な行事を継続しています。本当に昔の人の感性は凄いと思います。
それは森林や川というより、社全体から発せられるものです。伊勢神宮の辺りでは、70万から100万Hzの高周波が出ているというのです。一見シーンとしている森林ですが、実は鳥や虫、水の流れる音や植物の葉っぱのすれ合う音などが、ざわざわというか表現できないけど騒々しい音が出ているのです。
もっとも騒がしい場所とは、熱帯雨林であり70dbの騒音が観測されるといいます。都会で言えば渋谷の交差点の騒音レベルと同じですが、騒音とは別の環境音の静寂感を感じます。ちなみに漫画で何も聞こえない状態を表現するのに「シーン」と描いたのは、あの手塚治虫氏でした。
耳では聞こえないのですが、神社仏閣やその周囲の社に行き、その場にしばらくいると清々しい気持ちになったり、心を洗われる気分になれます。この高周波発見者の脳科学者の大橋力氏は、この高周波を豊富に含んだ音に接すると脳が活性化することも突き止められました。
図1. 神社にはやはり見えないパワーがあったのです
図2. 深呼吸して脳に酸素を送って見えない力を発揮させよう