虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第14回:あえて手間を掛けてみる(その2)

手紙を出す時にもちょっとした手間を掛けてみる

手紙を書いた後に季節によって少し演出もできます。それは庭木から春や初夏は、若葉を取って手紙に添えます。秋になれば、紅葉の一枚を入れるだけでも様(さま)になります。これだけでなく、身の回りのちょっとした写真や絵ハガキも添付するだけも、相手に対しての印象は違ってくるものです。お金を掛けないでも相手を喜ばす手立てはあるはずです。引き出しの中を虫の眼で探してみると、必ず出てくるものです。
手紙を書いたあとに封をしますが、糊で貼り付ける方法もありますが、これも2つの違った方法を取っています。1つはテープで留める方法ですが、右端の先端を数ミリ折り返します。その部分は封書に付きませんが、これがミソです。そこに赤文字で矢印と共に「ここからはがします」と書き添えます。剥す時には、その数ミリ浮いた部分を引っ張れば一気に剥せます。ハサミもカッターも不要です。中身が重い場合は、風の部分が剥がれる恐れがありますが、左側を住所のある方に2センチでも折り返すと剥がれる心配はなくなります。
もう1つは、ロウで封印して文字を刻印する方法です。欧米で良く用いられる方法ですが、糊付けして封をした後に、金色や赤色の専用のロウソクを垂らして、ハンコで刻印するものです。会社用「M」と個人用「R」の2種類を用意して、使い分けをしています。これを普段から使っている人は極僅かですので、この手紙をもらった人は大抵驚くものです。友人もこれを使っており、契約の成功率は非常に高いと評価しています。この一手間が相手の心に響くのです。 当然差し出す時の切手は、記念切手を多用しています。特に請求書を出す時には、普通の切手よりも珍しい切手だということだけでも、相手の気分は違うはずです。知人の会社もこの方法を採用しています。郵便局に記念切手がある時には、確保してもらうように話しかけて置くだけで良いのです。貼る時の楽しみもあります。いつも数十種類の切手を準備しています。逆に受け取った記念切手は、大切に保管して寄付をしています。こうすることで切手は一回の命ではなく、また新たな命が吹きこまれます。

そしてポストに投函ではなく、郵便局で差し出す

完成した手紙は、重量確認を一応ポストスケールという分銅を利用した測りで確認して切手を貼り付けます。しかし微妙な時もあり、近くの郵便局に持っていき確認をしてもらいます。ポストに投函しても良いですが、あえて郵便局に出掛けて世間話もして料金確認をしてもらうことで、地域のコミュニケーションが簡単に出来ます。
郵便局は地域の情報が一杯あるコミュニケーションスポットであり、双方向の情報交換もできます。この時に、著者が発行している機関紙や音楽祭のパンフレットも紹介できます。時には、ムダや5Sの話にも発展することもあります。ほとんどは県外や海外に出ているので、地元のことが分からない浦島太郎的になりこともあり、色々な人とちょっと立ち話をするだけでも違ってきます。知らん顔ではなく、こちらから大きな声で挨拶をすることで会話ができ、そして相手は心を開き始めます。
都会に出た家族や友人に、地元の新聞を荷物に同封することも意外な贈り物になります。



図1. 手紙の封の仕方:テープ編
図2. 手紙の封の仕方:ロウソク編