ヒューマンエラー対応の職場づくり 第14回

14. ポカヨケと実践的な指導1 その2

 人間関係を良くするにはどうしたらよいでしょうか。まず名前を呼んで挨拶をすることから始めます。意外ですが、海外も日本も名前を呼んで挨拶をしているのは、わずか1%程度でした。99%は名前を呼ばないで朝の挨拶は、「おはよう」だけなのです。相手の名前がないので、受け止める相手は自分でないと勘違いしています。

 実際にそう受け止められています。でも「松田さん、おはよう」と面と向かってしかも笑顔を添えられると、松田さんも笑顔で返事を返したくなります。相手を正しく理解しようとすると相手も感じるものです。

 リーダーシップを発揮するにも、この原則が求められます。相手を知ることです。知るきっかけは、挨拶です。しかも相手=名字を呼ぶのです。フルネームでなくてよいでしょう。寿限無寿限無~となれば挨拶で終わってしまいます。

 挨拶の漢字は、仏教用語のようです。挨(あい)は叩く、拶(さつ)は押すとか迫ると言う意味です。まさに無言ではなく、相手の具体的な名前を呼ぶことで一対一の関係なります。「皆さん、おはよう」では挨拶のパワーが分散してしまいます。

 一対一からメンバーの数を増やしてチームに集団として力を引き寄せ束にまとめ上げていきます。そうすることで、今までできなかったことが次第にできるようになって行きます。

 さらに、チームメンバーの名字だけでなく名前(著者の場合は、龍太郎)が漢字もしくは外人ならばそのスペルが書けるようにします。そして、紙に書いて相手から名前の由来を聞き出します。これは皆さんやったことがないと思いますが、相手はビックリされまます。なぜ?リーダーから言われるのはないからです。

 でも聞いてみると待ってましたとばかりに答えてくれます。「そういう意味だったのですか、なるほど」、相槌もタイミングよく出しましょう。「それは何方が名づけられましたか」と突っ込みます。以外にもお寺の住職さん、親戚のおじさん、母親などと想像していなかったことが出てきます。本人も話したことがないので、尋ねたリーダーに好意を寄せます。

 ついでに誕生日も聞いてみましょう。女性の場合は、年齢は置いといて月日で良いでしょう。意外にも同じ星座、干支が同じ、あるいは1日違いだったなどミラクルのことが出てきます。相手を知るきっかけに活用してください。

 さらには、ありがとうカード、サンクスカードと言った相手の良かったことやお世話になったことなどへの感謝を用紙に表現し、相手に渡して気持ちを伝えるツールがあります。

 これも統計を取るとカタヨリが出てきますので、分け隔てなく挨拶や頼み事、そして任す事も平均化することもやっていきましょう。目配りすることで、チームの結束力がだんだん強くなっていきます。