12月のご挨拶

12月になりました。

師走です。私は、指導中は先生と呼ばれることが多く、師だということになります。普段に比べ年末は片付けなければいけない用事が多く、文字通り走り回っています。師走とはうまいことを言うな…と思います。

さて、12月はどういう月か?を考えると、まず今年1年を振り返り、来年に思いを馳せる月であると思います。今年の活動を振り返ると、計画通りうまくできたり、できなかったりといろいろなことが起きているでしょう。

多くの方がこのように1年の実績を振り返り、その上で、来年の計画を立てられると思いますが、この振り返りで、ひとつとても重要なことがあります。これがあるとないとでは、仕事の成果が全く違ってしまうとても大切なことです。

それは、実績を「見える化」するということです。いくつかの項目に分けて改めて見てみると、その時々には気付かなかったことが浮かび上がってくると思います。例えば、「予想を超えてうまくできたこと」、「普通にできたこと」、「うまくできなかったこと」そして「手を付けられなかったこと」といった項目です。

大切なことは、これらの項目のどれに分類されたとしても、必ずその内容の分析をするということです。多くの場合、失敗した時はその原因を分析しますが、逆に成功した場合は、「よかった、よかった♪」で終ってしまうことが多いようです。しかし、これは大変にもったいないことです。一過性の成功に終わらないように、なぜ成功したかの理由も分析して、他のプロジェクトにも適用できるように標準化することで、さらなる成果を生み出すことができます。できたこともできなかったこともすべて分析が必要ということです。

「予想を超えてよくできたこと」については、まず実行した人たちに対してその功績を認めてほめてあげてください。経営者が何を望んでいるかが伝わり、更に高い目標設定をする意欲につながります。そしてこのような項目を来年はもっと増やせるようにその成功要因を見付けてください。心理的安全性が高いチームが行ったとか、情報共有にチャットを使ったといった秘密があるかもしれません。

「普通にできたこと」でも、その達成の過程にいろいろな特徴があることが多いです。予定通りにコツコツと成果を積み上げて達成する部門もあれば、激しい山谷を経て達成した部門もあります。もしそのような違いがあったら、そこに目を付けて、来年の仕事に活かせる項目を探しましょう。例えば多能工化をしていたので、生産計画が大きく変動してもボトルネックにならない対応ができたとか、時間ごとの出来高をチェックして少しでも遅れが出始めたら班長が現場チェックをして対応するとかをして下さっていたかもしれません。

一方、「うまくできなかったこと」の項目については、その原因を深く分析し、再発防止のための具体的なアイデアを考え、その失敗を次の成功につなげることが肝心です。来年には望んだ成果を上げられるようにしっかりと準備を始めましょう。

また、「手を付けられなかったこと」については、来年に再挑戦するかどうかを慎重に検討することも大切です。その上で、来年の活動計画を作るのです。

このように、結果が見える化されることで、より正確な評価が行われます。今年1年の皆様の頑張りが改めて実感でき、来年に向けてのモチベーションを高めるとともに、課題が明確になります。ぜひ、見える化を実行してください。

私事ですが、師走に限らず、健康のために毎日1万歩を歩いています。しかし、生産の現場では、歩行は付加価値を生まないムダな作業です。私は帰宅後、歩かなくても済むカイゼンを散歩しながら考えるといった効率の良い方法で模索していたりするのはここだけの話です。

今年もあとわずか、ラストスパート頑張りましょう!


日本カイゼンプロジェクト
会長 柿内幸夫