9月のご挨拶

9月になりました。少し涼しさを感じる日もあるかな…という感じでしょうか、皆様いかがお過ごしいらっしゃいますか?

新型コロナウィルス感染症が5類感染症になり感染者数の把握などがなくなり、一時と較べてほとんど話題に上らなくなりました。街のあらゆるところに設置されていた体温計やアルコール消毒器も随分姿を消しています。夏の暑さの中で、街を歩く人を見てもマスクをしていない人の方が多くなりました。しかし残念ながらコロナが再び感染力を増していて、感染者が増えているというのが実情のようです。強い法的な規制がなくなり、以前であれば抑えられた感染が押さえられていない状況があるのは事実だと思います。

もし咳が止まらなかったり発熱があったりした場合、まずは病院に行くべきだと思いますが、現在でもなかなか診てもらえないといった実情があります。先日、症状があったので病院に問い合わせたものの診断を受けられず、一日休養したら症状が軽くなったという人が、次の日に自己判断で会社に出勤したという話を聞きました。その人は自分がどのような状態にあるかについての客観的な診断を受けずに会社に行ったのですが、極めて危険な行動です。幸いその人はコロナに感染していなかったのですが、もし感染していてクラスターが起きたら、会社は突然に操業停止状態になり経営が立ち行かなくなる可能性があります。このような状況は、見方によってはコロナ規制が厳しかった時より、個人的にも社会的にも緊張感がなくなった今の方が、会社経営においては危険性が高い状態といえるかもしれません。

このような時にこそ私たちは世の中の緊張感の緩みに流されず、改めて発熱時のガイドラインなどを決めて皆で実行することが必要だと思います。個人の健康だけでなく、組織の安全を確保することが不可欠だからです。

もし発熱や咳などの症状が出た場合は、決して自己判断をせず、専門家のアドバイスを受けることが大切です。しかし病院が混雑して対応をしてくれないことも考えられるので、会社に自己診断キットを確保しておいて、症状を感じたすべての人が必要最小限の客観的な判断ができるようにするなどの準備が必要でしょう。また以前のように国から補償がなくなり、診断や投薬が有料になります。会社を休むと給料が減るという立場の人が、多少の熱があっても病院に行かずに出社してしまうことがあるかもしれません。その時に、病院にかかる費用や時間などを会社がある程度保証して少しでも給料の減少をなくすルールなどがあると、無理に出社しなくても済むでしょう。

これからはすべてが自己判断となるので、すべての人が正しい判断を無理なく行えるように、会社としてどのような準備をするかを考えることが非常に重要です。安全と健康を守るためには、すべての皆さんの協力が不可欠だからです。


日本カイゼンプロジェクト
会長 柿内幸夫