8月になりました。毎日うだるような暑さが続きますが、皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
今回は、最近私が直面している困ったことについて書こうと思います。
私はこれまで30年以上にわたりカイゼンのコンサルタントをして来ました。最近連載を始めた『柿内幸夫の脱力・カイゼントーク』にも書いておりますが、日産自動車を退職してコンサルタントになってからは、時折苦労することもありましたが、何とか仕事を続けて来ています。
コロナの影響で、多くの制約が課された一方で、新しい仕事のやり方も生まれました。それらの制約がなくなってきて仕事環境が再び大きく変わりつつある現在、私はこれまでの自分の仕事のやり方を振り返った上で、これからの仕事のやり方をカイゼンしたいと考え始めました。
これまでは技術的なことを中心に自分にできることを精一杯実行してきましたが、初めて営業活動について考えるようになりました。するとすぐに気付いたことがありました。長年いろいろなことをやってきたつもりでしたが、営業についてはほとんど戦略的な仕事をしていなかったのです。
コンサルタントの仕事をスタートした頃が、『カイゼンブーム』であったことで大いに助けられました。その後はクライアントの方々のご紹介や講演会を通じて仕事が広がっていきました。このように多くのご縁ができたため、積極的な営業活動をせずとも一定程度の仕事をすることができていたので問題を感じなかったのです。
しかしコロナの中で世の中の変化の大きさを再認識し、積極的な営業活動の必要性を感じました。そう考えた時に、私は自分の仕事について、お客さまに対して分かり易い十分な説明ができていないことに気がつきました。
例えば、私はこれまでKZ法や、チョコ案というカイゼン技法を開発してきました。自分で作った技法ですからもちろんやり方の説明はできます。しかしこの技法を使う目的を聞かれると「やってみれば分かります」といったニュアンスでの説明も行っており、質問に答え切れていませんでした。つまり、これらの技法を活用する目的を明確に言葉にしていなかったのです。
世の中はマーケットインからユーザーインへと変わりつつあります。私はこれからの製造業はマーケティングや商品開発もするべきであると考え、そのことの重要性を説いてきましたが、一番できていなかったのは自分自身でした。私の営業のやり方はマーケットインではなくプロダクトアウトでした。まさに 「灯台下暗し」、「紺屋の白袴」をしておりました。
今はいろいろな方にお話しを伺い、自分でも試行錯誤をしながら、お客様のご要望に応え環境変化により素早く対応できる仕事の進め方にカイゼン中です。「困らなければ知恵は出ない!」は私のカイゼンのモットーの1つですが、徹底的に困ることで知恵を出して頑張ります!
今年の暑さは異常です。これまでは大丈夫であったけれど、どうも今年はそうでないといったことが多く起きています。皆様、どうぞお体を大切になさってこの夏を乗り切って下さい!
日本カイゼンプロジェクト
会長 柿内幸夫