2月のご挨拶

2月になりました。新年のご挨拶をしたばかりなのですが、もう月が替わりました。時間が経つのは本当にはやいですね。過去を振り返ると私はほとんどのタイミングで時間が経つのははやいと感じてきたと思います。なかなか時間が経たないと思うことはほとんどありません。せっかちなんですね、きっと。

ただ、そう思うのは私の性格がそうだということだけではなさそうです。世の中の変化のスピードはものすごく加速していることも間違いありません。現在、日本政府が「ソサエティー5.0」という未来社会のコンセプトを提唱しています。ソサエティ1.0は狩猟社会、原始人の時代ですね。2.0は農耕社会、村ができて人が集まり始めました。3.0が工業社会、私はここで生まれたといえます。そして4.0が情報社会、コンピュータとインターネットの登場からですからつい最近の感じです。そしてこれから始まる5.0はICTとかAIなどの新しい技術をベースとした全く新しい社会ということです。

いろいろな説があるようですが、1.0の狩猟社会の始まりは600万年前だそうです。そして2.0の農耕社会は1万年前にようやく始まりました。3.0の工業社会が産業革命以降とすれば始まりはわずか250年前です。4.0は現在の情報社会ですが、少なくとも私が生まれた時はそうではありませんでしたからせいぜいここ20年くらいではないでしょうか。そしてもう次の社会である5.0が始まろうとしているということになります。私たちは一生の間に3つの社会を経験しようとしています。人類の歴史の中でこんな変化のこの変化スピードは我々が初めて体験するものであることは間違いありません。

私はこのような変化の時代に果たして付いていけるのだろうか?という不安を感じることがしばしばあります。とにかくいろいろな変化が起きており、気づいたら置いて行かれているということがありそうだからです。しかし心配してもきりがないし意味がないことも分かっているので、方法を考えました。私が見つけた答えは若い人と雑談して彼らの今の生活から世の中の変化のスピード感と今起きていることを体感することです。

以前にある若い人が「僕は最近株にはまっています」というのを聞き、今はスマホを使って一株単位で簡単に株の売買ができることを知りました。彼はYouTubeで何人もの株の専門家の話を聞いて勉強し、少しずつ自分で確認して将来に備えているとのことでした。私は「へ〜、そうなんだ…」程度に軽く聞き流してしまいましたが、それが先日アメリカの株式市場が個人投資家の突然の共闘によってネット証券の売買が一時停止に追いやられた“大事件”につながった道具と知り、驚きました。

スマホが生活の一部として定着している若い人たちの潜在能力には驚くべきものがあります。IoTの活用などこれから必要な新しいカイゼンには欠かせない戦力です。しかしその能力は隠れていて見えないことが多いのです。アナログ世代の人が多くを占める製造業ですが、先輩世代が後輩世代に進んで溶け込んでいき、彼らの能力を引き出すことを始めたいと思います。日本のこの面での遅れは相当なものであるようですが、答えは身近なところにあるかもしれません。一緒に勉強してまいりましょう。

日本カイゼンプロジェクト
会長 柿内幸夫