経費削減で電気代を少しでも節約するために、照明を間引いたり、明かりが不要な時には消灯の号令をかけている工場は多いと思います。誰もいない倉庫を明るく照らす必要はありませんからこの指示は筋が通っています。しかしこの消灯は言うのは簡単ですが、実行には結構な困難があります。
もちろん電気でも水でも、ムダに使うことは許されません。しかしそれらの実行を人間の意識に頼った節約やコストダウンで実現しようとすると、ある一定以上のレベルに達すると、必ず品質の劣化や事故が起きるようになります。
よくあるのは消し忘れです。あわてていたり、そうでなくともうっかりして消し忘れることはよくあります。しかし何度も「消し忘れている!」と注意されていると、電気を消すことに意識が行って作業がおろそかになったり、電気が消されているかチェックばかりする人がでてきたりすることもあるのです。
あるいは見通しの悪い倉庫では、まだ人が残っていることに気付かず電気を消してしまうことも起きるでしょう。残っていた人が突然暗くなって、あわてて事故を起こすこともあり得ます。
今はセンサーも随分と安く買えるようになりました。センサーによる自動化ができれば、人の気配で自動点灯・消灯ができるし、安全に効果を上げることができます。
これからの時代にこのような簡単な自動化は仕事の前提になります。多くの工場では既にこれらは当たり前に行われていますが、これから設置予定の工場においては、できるだけご自分でできることを探してやってみるようにして頂きたいと思います。大袈裟に聞こえるとは思いますが、私はこのようなことが工場のIT化の第一歩につながると考えているからです。
今週の言葉 電気は、消すより消えるようにしろ。