物流は3現主義で(2) 現場での立ち会議

物流過程で起きた問題点は3現主義で解決していきましょう。物流上の問題点の例として物流品質不良が挙げられます。

誤品を出荷してしまった、誤数を出荷してしまったという話をよく耳にします。物流品質不良の対策書には作業者が標準作業を守っていなかった、監督者が作業観察を行っていなかったという文字が毎回のように並びます。

また対策として「社内教育の実施」とか「作業観察の徹底」などが書かれています。しかしこれで果たして同じ過ちを防ぐことができるでしょうか。

この対策につきましても問題が生じた時と同じ状況を作ってそこで現実的な対策を打った方が良いのではないでしょうか。

たとえば職場の照度が不足しているということが現場に行けばわかります。それがわかればそれに応じた対策を打つ。

部品同士が重なりやすくそれに気づきづらいのであれば実際に作業台の上に碁盤の目を作ってその中に一枚ずつ並べていく、といったアイデアも現場で検討すればこそ生まれてくるものです。

つまり品質問題については現場で再現しながら対策を考えていくことがベストなのです。これこそが3現主義の典型例だと思います。

3現主義は品質問題対応に限りません。安全対策でも同様です。倉庫内で頭をぶつけやすい突起が出ていたらその下を進入禁止にする、倒れやすい状態で積み上げられている荷があればその場で段積数を減らすなどのアイデアが出てきます。

通路にはみ出し置きがあればそれをその場で直させる、ものを指定場所以外に置いていたらその場で指定場所に移動させる、このような「しつけ」につきましても現場で現物を目の前にして実施していくべきでしょう。

物流現場ではほとんどの行為について3現主義での取り組みが望ましいと思われます。もし今から実施しようとしている会議が現場で行った方が望ましければ迷わず現場に出かけて行くことをお勧めします。

何か社内で問題が発生したらその解決策を検討する場所を現場に設けてもよいかもしれません。それは会議室ではなく、ホワイトボードだけを設置した場所です。

椅子もいりません。立ったままで検討会を実施するのです。立ったまま会議は意外と生産性が良いものです。座って実施する会議より時間が短くなる傾向にあります。

次回に続きます。