物流は往々にして何らかの行動の結果として生まれる現象ととらえることができます。前回の事例のように各部門が部分最適を求めて勝手に動くとその傾向が強まります。
そこで物流についてはその要因を発生させる部門で費用を負担する方向に改めると良いと思います。たとえば次のような例を挙げてみます。
・ロット生産で必要になる物流エリア、容器、機器、工数等 = 生産部門
・調達方法で必要になる物流エリア、容器、機器、工数等 = 購買部門
・売買契約で必要になる輸送コスト = 営業部門
物流コストはその恩恵を受ける部門で負担するという思想です。受益者負担と考えればわかりやすいのではないでしょうか。
こうすることで必要以上の行為が改められる可能性があります。
ただしそうなる前に物流は自部署で発生しているさまざまな現象についてその要因部署へ情報発信することが必要なのです。
生産部門や営業部門、購買部門などは物流現場に行くことがほとんど無いと思われます。そうなると物流現場にどのような影響があるかなど、知る由もないからです。
物流部門は影響度合いについて数字で示すことが望ましいと思います。エリアが何m2必要になっているのか、物流工数がどれくらい余分に必要になっているのか、容器が不足して詰め替えコストがどれくらい発生しているのかなど、数字で示せば相手もしみじみとくることでしょう。
実はこの物流による情報発信ですが、社内でのやりとりに限られるわけではありません。顧客との間でも情報を渡して改善要請を行った方が良いケースもあるのです。
当初の契約時と状況が大幅に変更されたのであれば、契約内容の見直しも必要になります。この状況変化は軽油価格、労務費、荷量の大幅な変動、為替の変動などが挙げられます。
何も情報を発信しなければ物流の状況は変わりません。そこで契約時との状況変化があれば、ぜひそれについて顧客と話し合いをするべきなのです。
次回に続きます。