喜ばれる物流の創造(2) 病院内物流サービスSPD

病院内物流の請負も病院側にとってみると嬉しい商品であることに間違いはありません。病院の本業は患者さんの治療です。入院患者に対する投薬や、手術などを行うのが病院の役割だと言えます。

ではこの本業以外のことを病院スタッフがどれくらい行っているでしょうか。薬剤や治療に使う機器を発注し、それを倉庫に保管し、必要に応じて取り出して使う現場まで運んで行く、このような本来業務以外の業務を看護師が実施しているのです。

今まで何度となく問題視された医療ミス、人の命に係わる絶対に犯してはならないミスを繰り返し発生させていることは皆さんご存じのとおりです。

この絶対に発生させてはならないミスがなぜ発生してしまうのか?この点について深く掘り下げて考えてみる必要がありそうです。

その大きな要因に看護師の事務作業です。先ほど挙げたような作業を行っていると本業に割く時間が削られ、ミスにつながることが考えられるのです。

そこで病院内物流業務を外部業者に委託しようという発想が起こります。そしてそれを請け負える業者が商品化して医療機関と取引を行っているのです。

この物流商品のことをSPD( Supply Processing & Delivery)と呼びます。薬剤や医療機器を倉庫保管し、病院からのオーダーに基づき出庫して届ける仕事です。

この倉庫は病院内に置く場合もあれば、外部に持つ場合もあります。手術があるときには手術に使う機器をキットにして納入します。

これによって医療機関側は煩わしい業務から解放され、本業に特化することができるようになるのです。

私たちは普段の生活で不便だと感じていることはたくさんあると思います。物流はその「不便さ」に目をつけることで喜ばれる物流商品を開発することが可能となるのです。

次回に続きます。