喜ばれる物流の創造 ハンガー物流という発想

私たちの生活は物流によってどれほど豊かになっているか、大抵の方は気づいていないと思います。一昔前はテレビや雑誌などの一部で行われていた通信販売が一般的となり、その利便性を私たちは享受しています。

スマートフォンやPCで意図も手軽に発注でき、翌日には自宅に商品が届きます。この通信販売で購入するものが街でも手に入る一般商品であるところが特徴です。

一方で各地の名産品も通信販売で手軽に手に入るようになりました。これによって私たち消費者も嬉しいのですが、生産者側もローカル営業から一気に全国営業に飛躍することができたのです。お互いWin-Winの状況が確立できたわけです。

この通信販売に代表される生活を豊かにする物流商品が消費者に喜ばれるようになってきたのです。

靴の宅配型修理も嬉しい物流商品です。この商品の強みは「無料」で引き取りと宅配を行ってくれることでしょう。

先日この商品を知らない人に配送料をいくらまでだったら払ってこの商品を利用したいか聞いたところ、250円なら、という答が返ってきました。それを最初から無料にしたところがこの商品の強みだといえるでしょう。

ハンガー物流も小売店にとってみると嬉しい物流商品です。ハンガー物流とは、衣類をハンガーに掛けたまま倉庫に保管し、オーダーに基づいてハンガーのままトラックで輸送し小売店まで届ける物流です。

今までは衣類の物流といえば服を折り畳んで段ボール箱に詰めて運ぶということが当たり前でした。この方式の場合、服に付いた皺を小売店で取らなければならなかったのです。

折り畳んで段ボール箱で運ぶということは「物流の論理」に過ぎません。服に皺を発生させるということは、物流品質の問題でもあります。厳しい見方をすれば、手軽に物流コストを下げるために商品にダメージを与えていた、と言えそうです。

小売店で皺とり工数を無くすことができたとともに、ハンガー台車で店舗内を移動することで商品がお客様の目に触れ、売上につながるといった副産物もあったと聞いています。

次回に続きます。