物流技術標準と物流作業標準を設定する 作業指示を明確に与える

会社が要求された安全、品質、納期、コストを確実に確保するためには物流技術標準と物流作業標準が必要です。それぞれの作業を作業者任せにしていませんか?その状態で不良を出したとしても、それは必ずしも作業者だけの責任とは言えません。

作業指示を明確に与えていなければ作業者は何を拠り所に仕事をしたらよいのかがわからないはずです。またアイツが不良を出した、と嘆く前に管理監督者がやるべきことをやっているかどうかをまず点検する必要がありそうです。

物流の仕事には「物流技術標準」と呼ばれるものと、「物流作業標準」と呼ばれるものの2つの基準が必要です。これら抜きに安全、品質、納期、コスト(SQDC)の結果はもちろんのこと、目標も定めることは難しいでしょう。

物流技術標準とはその会社で物流業務を行うに当たり、技術的なスタンダードを定めた文書のことを指します。物流技術の担当部署で設定します。

この標準には倉庫を設計する際の床の耐荷重や高さ制限、通路幅や使用する機器の仕様など、技術的な基準すべてを指します。

たとえば倉庫内通路の幅は3mとする、通路を区切る線は白色としその幅は10cmとする、などといった自社の物流技術標準を一つひとつ定めていくのです。

基準が定めていなければ、倉庫ごとに通路幅もバラバラ、白線もあったりなかったりで非常に統一性に欠けますし、その結果として倉庫によってSQDCの結果にもバラつきが出てしまいます。

物流作業標準とは物流作業を実施するにあたってのルールや管理監督者の管理ポイントなどを定めた文書のことを指します。物流監督者または管理者が設定します。

物流作業標準の中で最もポピュラーな文書が「標準作業書」です。これが作業者に対する指示書になります。SQDCの要求水準を満たすためにはどこに注意して作業を実施していくのかについて定めた重要な文書ということになります。

次回に続きます。