物流現場を見ているととても残念なことに気づきます。それは保有する能力を使いきっていないために本来得られるべき効率をムダにしてしまっているのです。
その典型がトラックです。トラックは積載量に応じてサイズが異なります。2トン車、4トン車、10トン車といったように保有能力(積載量)別に異なる車種が設定されているのです。
輸送では皆さんご存知の通り、かさばる割には軽い荷物(容積勝ち荷物)と小ぶりの割には重い荷物(重量勝ち荷物)があります。
前者は別名「綿」、後者は別名「鉄」とも呼ばれます。前者の典型荷物にはスナック菓子、後者の典型荷物には鍛造品などがあります。
トラックは荷台に「綿」ばかりを積むと本来持てる重量能力を余らしてしまうことになります。逆に重量物ばかりを積むと荷台がスカスカになってしまいます。
物流のあるべき姿としては、荷台の容積目いっぱいかつ保有重量能力目いっぱいで輸送を行うことになります。
10トン車でいえば容積53m3、重量10トンということになります。
要はこうなるように荷物を組み合わせて運ぶことが物流現場の責務であり、そうなるように配車を行うことが配車担当者のテクニックということになるのです。
フォークリフトでも同様です。理想を言えば重量能力を100%使い、容積的にも2m3程度を同時に運搬または荷役できるということになります。
常時あるべき姿でのオペレーションは簡単ではありません。しかし今のオペレーションでどこまで保有能力を使い切ったのかがわかるよう、データ把握しておかなければなりません。
一日が終了した段階で、物流設備ごとに保有能力に対してどこまで使ったのかを評価してみてはいかがでしょうか。
顧客からのコストダウンの要求に悩んでいるとしたら、こういった徹底したコスト管理の努力を実施しているのかについて反省してみる必要がありそうです。
次回に続きます。