物流品質で高い水準を示す相手は顧客ばかりとは限りません。自社内であっても高品質で喜ばれることは大変重要なことだと言えます。
工場内物流であれば生産ラインに対して相手が部品を取りやすいように並べてあげることも品質の一つであります。
生産ラインが選択に迷うことなく、容器から取り出す手間も省き、生産に専念できるような状態を作り上げることが最高品質の物流につながるのです。
よく「後工程はお客様」という言葉を使います。供給工程のお客様はピッキング工程であり、ピッキング工程のお客様は梱包工程であり、梱包工程のお客様は出荷工程であり、出荷工程のお客様は輸送工程であるということになります。
常に自工程の後工程はお客様ですから、お客様に喜ばれる品質を示すことが必要になってくるのです。
この品質のレベルは、自分が自工程であればどのような物流をして欲しいかを考えてみればわかると思います。
ここでもまた「顧客が求めている以上のもの」を意識することが重要です。これが実現できれば自社内でも最高品質を生み出すことになるのです。
物流にもS、Q、D、C、Mがあります。これは実はすべてがQ、つまり品質の内数だという考え方もあります。
安いコストで提供できる物流、常にリードタイムを短く、定められた時刻通りに運ぶ物流、安全に無事故で遂行する物流、いつも統制がとれた物流、いずれもが物流品質が良いという要素の一つなのです。
つまり単に間違いを起こさない、商品を傷つけないといった直接的な品質だけではないということです。物流を取り巻くすべての管理要素が品質につながるのです。そしてそれらが上手くできることで高品質物流ができていることにつながります。
このことを頭の中に入れながら日々の作業を実施していきましょう。きっと顧客の期待を上回る高品質の物流を実現できることでしょう。