人に教えることで物流を学ぶ(3) 教える人の成長

いつも申し上げていることですが、物流は単純な運搬や輸送だけにとどまりません。むしろ物流は何かしらの結果であるため、その要因をつぶすことが改善につながる性質を持ちます。

これは在庫でも同様です。在庫も物流の重要機能ですから、その要因を把握して一つひとつつぶしていくことが求められます。

物流の場合はどちらかというと工程設計が要因の多くを占めることになります。保管場所をどこにするのか、その場所によって輸送の大きさは変わってきます。

生産現場では工程と工程を離してレイアウトするとその間の運搬が発生します。物流エリアが広すぎたり狭すぎたりすることで物流工数に影響が出ます。

このようなことを「にわか知識」でもよいので知ったうえで人に話をしてみましょう。物流を単純なオペレーションだと考えている人たちにとっては大きなインパクトがあるはずです。

そこで議論が生じると思います。人によっては物流のことをオペレーションだと思っているため、あなたの意見に反対するでしょう。

素直に新たな知識として受けとめる人にとって見れば、さらに詳しい情報を知りたいと思うでしょう。

人それぞれの考え方でいろいろな意見が出てきます。これらの意見に対して、皆さんなりの考え方で返していく必要があります。

ここで皆さんのスキルがさらに磨かれることになります。もしもっと情報を知りたいという人がいれば、ぜひそれについて教えてあげましょう。

その情報を知らなかったとしたら、皆さん自身が調べて教えてあげましょう。調べる過程を通してますます物流について詳しくなることでしょう。

皆さんの物流に関する知識と技能スキルが徐々に向上していきます。結果的に会社で物流については無くてはならない存在になることでしょう。

「人に教える」ということはここまで大きな影響を持つのです。勇気をもって人に物流について教えていきましょう。

教えられる人のみならず、教える側の成長と会社の物流改善につながる大変よい行為だと認識していきましょう。