物流コスト改善に取り組む(2) 輸送コストの構成要素

多分大方の会社の場合、物流コストは下がると思います。運賃が上がるあるいは下がりにくいと言って、物流コスト自体が下がらないと考えることは正しくありません。

会社の物流コストの6~7割を占めるのが輸送コストです。そこで輸送コストを下げるための改善に取り組むと効果的です。

輸送コストは次の式で表現することができます。

輸送コスト = 輸送単価 × 物流量 × 距離

従いましてこのいずれかの要素を下げていくことで輸送コストが下がるということになります。多くの会社はこのうち「輸送単価」にばかり偏った取り組みを行っています。

しかしこれからは「物流量」をへらすこと、「距離」を短縮することに注力しなければなりません。もしかしたらそれは難しいと思っている人もいらっしゃるかもしれません。

でもそれは「思い込み」に過ぎません。なぜなら、拠点を近づけることで距離は縮まりますし、荷姿改善を行えば物流量をへらすことができます。

要はこういった活動をまじめにやれるかどうかです。そんなこと非現実的だ、と言ったとたんに不可能になります。

輸送単価もトラック輸送では難度が高まっているかもしれませんが、鉄道輸送や船舶輸送に変更することで下がる可能性はあるのです。

頭の中にある「固定観念」は捨てて下さい。そうすれば物流コスト改善のアイデアはたくさん出てくることでしょう。

特に皆さんに取り組んでいただきたいのが「荷姿改善」です。包装改善、パッケージ改善も同義語です。物流はモノを移動させることが中心になりますから、そのモノを小さくすることが物流コスト削減に寄与するわけです。

荷姿改善のポイントは、簡単に言うと箱の中に隙間なく製品が入っているイメージです。しかし製品には大きいものもあり小さいものもあります。

そうなるといろいろなタイプの箱が必要になりますよね。でも輸送時にはあまりにも箱の種類が多いとかえってトラックの積載効率が落ちることにつながるのです。

ではそれを回避するためにはどのような取り組みが必要になるでしょうか。

次回に続きます。