輸送インフレ時代の次の一手 物流コストのあの部分に注目せよ

世の中人手不足が問題になってきています。建設業や介護業界は特に深刻なようですね。私たち物流についても例外ではありません。 このような状況下、物流にかかわる価格が上昇基調にあります。要因の最たるものが「トラックドライバー不足」です。ドライバーの高齢化とともに新規の成り手がいないことが拍車をかけているようです。

物流の元請け業者や荷主会社は輸送会社からの値上げ要請を受けていると思います。最悪ものが運べない状況に陥る可能性がありますので、価格交渉には応じているようですね。

少なくとも現時点では物流価格が下がる可能性は小さいと思われます。特にトラック輸送分野では値上げは避けられず、その幅をいかに縮めるかがポイントになっているのではないでしょうか。

そうなると荷主は特に物流コストマネジメントに真剣に取り組むことが求められるでしょう。なぜなら輸送価格の上昇分を価格に容易に転嫁できないからです。ということはそのまま放置すれば自社の利益の減少というリスクにつながってしまうのです。

ということで荷主は物流コストを安易に上げるわけにはいかないのです。一方で今の価格について多少なりとも値上げに応じざるを得ない状況にもあります。

では状況は八方ふさがりなのでしょうか?

いかがでしょうか?きっとそうではない可能性が大きいと思われます。たしかに物流改善をし尽くした会社であればかなり厳しい状況かもしれません。しかしまだまだ改善の余地が残されていると考えるのであればすぐに手を打つべきです。

では真っ先に目を付けるところはどこでしょうか。それは「価格以外の部分を改善する」という点です。そうすれば当然のことながら物流コストは下がるからです。

この点について一緒に考えていきましょう。そのためにまず以下の公式を再認識したいと思います。

◆ 物流コスト = 物流単価 × 物流量 × 距離

単純ですね。物流コストを下げるためには物流単価を下げるか、物流量を減らすか、距離を縮めるかのいずれかに着手する必要があるのです。

今「物流単価」が下げづらい状況にありますから、残りの二つ、つまり「物流量」と「距離」に着目していきたいと思います。

次回に続きます。