物流職場で後輩育成(3) 作業訓練道場の導入

このように徐々にノウハウをトランスファーできてきたらいよいよ作業を標準化していくプロセスに移ります。

本来であればこの順番が逆であることを認識しておく必要があります。つまり仕事を始める前提条件として標準化があるということです。

仕事を標準化し、標準作業書を作成し、それを使って仕事を教えるというプロセスが正しい手順だということなのです。

しかし最初から標準化だとか標準作業書とか言い始めると、その入り口で抵抗感を覚えその先に進まない恐れがあるのです。

そこでまずベテラン社員が仕事を書き出し、それを標準作業書と位置づけ、徐々に改善していく方式をとっても良いと思います。

前回ご説明した作業者ごとの現状の実力値と目標レベルについては物流現場に貼り出しましょう。誰の目にも触れるようにし、計画的人財育成を行っているということをシェアしていくことが望ましいと思われます。

「作業訓練道場」と称して実際に体を動かして作業トレーニングを実施できるエリアを設けている会社があります。

その道場ではピッキングのやり方、製品の確認の仕方、フォークリフトの基本的操作方法などを実際に学べることになります。

仕事の基本の基本はこの道場で実施し、そこで一定のレベルになった時点で実際の作業現場に出ていきそこでOJTで仕事を覚えるというステップで考えていってはいかがかと思います。

また定期的に簡単な試験を導入してはいかがでしょうか。5Sの基本を問う問題や安全の基本を答えさせる問題などを準備して定期的にそれに答えさせるのです。

さらに育成のために社内資格を設定し、それを取得させるなどのしかけをつくっていくと益々人のレベルは上がっていくと思われます。

物流現場では人が最重要です。人を育てていくことが会社の資源豊富化につながります。ぜひ簡単なところからスタートし、会社レベルを向上していきましょう。