内部統制活動に取り組む(3) 行動規範を作成しよう

内部統制において社員のコンプライアンス意識を高めることはとても重要なことです。トップから末端の社員まで統一して高い意識を持てばそれだけコンプライアンス遵守度は上がっていくものと思われます。

コンプライアンス意識を高めるためには何かしらのしかけが必要になってきます。たとえば社内研修を実施することは必須でしょう。

できれば研修の後に「理解度チェック」を行うと効果が大きくなると考えられます。

役員から一般社員、パート、アルバイトまでコンプライアンス意識を浸透させるために会社としての「行動規範」を設定してみてはいかがでしょうか。

就業規則にいくつかコンプライアンスのポイントは記されていると思いますが、もう少し詳しく、事例を交えながら行動規範という小冊子に作り上げることが効果的です。

その中には特に知っていなければならない法令や最近問題になってきているセクハラやパワハラの事例、公務員との付き合い方や反社会勢力の問題点など、それぞれのトピックを1アイテムで見開き2ページくらいで作っていくのです。

そして新入社員が入ってきた時にはこの冊子に基づいて教育を行い、それを理解した旨のサインをしてもらうようにします。

何年か経った時に、ああそういえばコンプライアンスについて教育を受けたっけ、と思い出してもらえれば儲けものです。

また意識向上に向けて、社内にポスターを掲げたり、朝礼などでちょっとしたコンプライアンス絡みの話をしたりするなどといったことも有効だと思います。

内部統制の三つ目として「財務報告の正確性」が挙げられます。会計上不正が行われていないかがポイントになります。

もっと身近な例を挙げれば出張旅費をごまかしていないか、誤った在庫報告を行っていないか、顧客との間で不透明な取引をしていないか、などお金に絡む不正が隠されている可能性が考えられます。

これらにつきましてもコンプライアンスの一部となりますので、行動規範に書き込むと同時に、不正が見つかった場合には厳正な処置を行うことが必要でしょう。

内部統制は企業存続のためには避けて通れない活動です。ぜひ三つの視点から、じっくりと社内点検を行うとともにそれらを正していくしかけづくりに着手していきましょう。