あとでわかったことですが、この1/f ゆらぎという規則正しことと不規則なことが、ちょうどバランスが取れたパターンで発生すると人は気持ち良く感じるようです。このような環境にしばらくいると、脳波の1つであるα波(8から14Hz)が出るようになり、リラックスしている状態、さらに集中し瞑想している状態になることも知りました。
この状態になると、脳の意識している意識脳と潜在脳を遮断している扉が開き、潜在脳の情報が意識脳に移るようになり、アイデアがどんどん考えられるようになるのです。これを使わない手はありません。ある時に、このα波が出ているかどうかを測定する機会に恵まれました。ヘッドバンドをして15分の測定時間中、なんと13分以上もα波を意識的に出すことができたのです。
イメージとして森の中を散歩している状況を描き、さらに南の島のサンゴ礁の中を泳いでいる状況を意識したのです。α波が出ると、ピーという音で知らせてくれるので、自分自身でもこのようなイメージを頭に描くと、簡単に出せることがわかったのです。それを知ってから集中する時には、このことを意識して自らα波を出すようにしています。
またα波を簡単に出せる専用の音楽も、今ではインターネットで入手できます。音楽の中でもクラシック音楽は、1/f ゆらぎが特に多いとされています。その中でもモーツアルトやバッハの曲に多くあるようですが、彼らの時代に周波数測定器はありませんので、どうやってゆらぎのある作曲したのか聞いてみたいものです。それができたので、彼らを天才と呼ぶのでしょう。
クラシックは、モーツアルトが好きで良く聴いています。もっともゆらぎが含まれるバイオリン協奏曲ニ長調K.211をBGMにして、今回は原稿を書いています 。動物に音楽を聞かせてリラックスさせて、生育を促すことも取り上げられています。家畜もストレスをなくすために音楽が必要なったのは、人間の都合に振り回されているからではないかと同情してしまいます。
今では、周波数の解析に大型コンピューターで「フーリエ分析」することでどの曲でもゆらぎを測定できます。なおロックの曲には、このゆらぎが少なく聞く方にとっては、刺激や緊張感が強くなります。このように今までわからなかったことが、測定機器や解析方法でわかるようになってきました。逆にこの作用を知って、積極的にその効用を活用したいものです
音楽は、身近に環境の設定ができる非常に便利なものです。筆者も携帯に多くの曲を取り入れて、音楽を聞きながらリラックスしています。しかし、多くの場合はイヤフォンを使っていますので、長時間になると耳や頭が痛くなることがあります。仕事が終わって移動する時にはイヤフォンでもよいのですが、普段ははやり部屋でゆっくりスピーカーできた方が、よりリラックスできる気がします。
最近は散歩する時には音楽を聞かないで、自然の音を聞くようにしています。周囲の風景や草木の匂いや風を肌や体全体で感じながら歩くようにしています。緑や青の系統の色は、目にも心にも非常に落ち着きを感じます。都会では公園や川の沿線といった場所に限られますが、意識して探せば見つかるものです。道路のブロックの隙間で頑張って咲いている草花を発見するだけでも、嬉しくなるものです。
人の五感である測定器やセンサーを研ぎ澄ますのは、本物に触れたり、自然に触れたりして心からリラックスして浄化することで得られると考えます。そよ風だけでなく、ロウソクの炎、ホタルの光、小川のせせらぎ、波打ち際の寄せる波、電車の揺れ、木漏れ日の揺れ、焚き火の炎や煙なども、見ていても心地よさを感じます。ゆらぎは、童話の「青い鳥」のように案外と身近なところにこそあるかもしれませんね。