虫の眼・魚の眼・鳥の眼 第18回:数の数え方あれこれ(その2)

4進法、5進法、12進法、16進法、60進法もあります

 この2進法は、50年くらい前に先輩から教えてもらい、いつも指の運動として今でも練習をしています。1度両手を使って「1024」までカウントしたことがありますが、その日の内に腱鞘炎になりましたので、こんなアホなことはもうできません。
 でも2進法で、「32」まで数えることが出来ることが分かれば、発想の転換ができます。原理原則が分かった人は、わずか2分で「32」まで数えることができました。普通の人では大体1時間を要しますが、これで頭の固い人と柔らかい人を判定することも可能です。
 今まで「5」とか「10」までしか使えなかったものが、開いたり折りたたんだりした単純な動きに、少し組合せを変えると一気に3倍、6倍にもなるのです。今ある資源の使い方を変えることで、一気に何倍にもなる事例に良く使っています。2進法は、17世紀のドイツの数学者ライプニッツが考えたものです。この応用が、0101010・・・の組合せ、つまりスイッチのオン、オフの組合せであり、コンピューターの原理になっています。
 人は昔から数を数える身近な手段として、5本の指を使ってきました。これはいわば5進法になり、また1から5の繰り返しになり桁上げしていきます。両手を使うと10進法になり、10進法は私たちの日常の計算には非常に便利です。足の指を加えると、20本になります。両手両足の指を使えば、20進法になります。
 普段の日常生活にはお馴染みではありませんが、コンピューターのプログラミングには、10進法よりも2進法を組み合わせた16進法が使われています。これは、0~9の数とAからFまでのアルファベットの6つを組み合わせて用いられるものです。16の0乗=1、16の1乗=16、16の2乗=256、、、となります。逆に日常生活に欠かせないのが、12進法と60進法です。つまり時間管理は、この2つの数え方の組合せです。1分が60秒、60分が1時間、12時間が半日で、1日が24時間になっています。江戸時代の1両は、4分で、4分=16朱=4000文という4進法になっていました。


円の角度は、365日が基本になっている

 時間の基になっているのが、古代バビロニア(現在のイラクあたり、紀元前2000年前ごろ)です。暦の元を考え月の満ち欠けを基に、1年を12か月として割出たようです。当時は太陽が地球を回っていると考え、ぐるっと太陽が地球の周りをまわって、季節が元に戻る日を365日と数えて、1年の日数を決めたことが分かります。
 このぐるっと円を描くことで、円の角度を1年の日の数の365度と設定したものです。しかし中国では囲碁の升目の19本×19本=361を、円の角度としたこともあったと記されています。真四角の碁盤にも一年や円の考え方が、入っていることに気づかされます。ところが365や361は、何かと計算をするにも角度を測るにも面倒なので、5、12,20,60といった数値で割り切れる360度にしたことは納得できます。4000年の長きにわたり使いこなされて、トゲがなくなり丸くなって定着したようです。
 干支の十二支も12進法であり、1年の12か月を基にしたことが分かります。12か月と指の5本で、60を導き出したことが時間の基になったことも想像できます。お金の計算などは10進法で、時間管理は12と60進法の組合せで生活をしています。