自働化とは本来、機械に人の知恵を盛り込んで異常が起きると自動的に検知し、直ちに停止させることで、以外にも品質重視の考えが入っています。これは、多くの現場の人の考えには入っていません。もったいない考えです。ぜひ変えていきましょう。
この品質のつくり込みとは、1つひとつの工程には、人、モノ、機械設備、造り方という生産要素があります。それらを上手く組み合わせて「工程を強くすること」と考えます。これには、3つの要素があります。①信頼性、②効率性、③柔軟性の3つです。
① 工程の信頼性を高くして、不良をつくらない、手直しをしない、故障しないことがあります。このためには、不良が発生しないような機械設備や治工具づくりが必要になります。特に強調したいのは、前回説明しました治工具づくりです。部品の身になって考えましょう。
また人の作業はまだ属人的になっており、標準作業を導入してノウハウも盛り込みます。特に退職前のベテランの方々からノウハウを伺ったり、ビデオで撮影したりして、卒業論文と言う形で公開してもらいましょう。当然報奨金も弾みましょう。
機械設備の不良や故障の原因対策から、良品をつくり続けるための管理の維持です。さらに重要なのが、異常があった時に勇気をもって生産を止めて真因追及することです。この情報のフィードバックがとても重要ですが、多くは二の次になっています。ここが中小企業の弱点と考えます。
② 工程の効率化は、人と機械設備との動きにムダが少ないことです。機械が動いている間に人は監視ではなく、付加価値のある作業をします。監視が必要でチョコ停などで止まる設備のカイゼンはしておきます。
この時に人の要素作業を簡易自働化で代替していき、さらなる効率を高めて総コストを下げていきます。この時に簡易自働化ができたら、次にさらにコストをかけないからくりカイゼンに挑戦していきます。
③ 工程の柔軟性は、生産の変動にかかわらず生産性を低下させることなく、多能工化して誰でもどこでも作業ができるようにします。この訓練が重要になります。そのためにも標準作業の整備が必要です。
また多品種小ロット生産になってくるので、段取り替えは増えます。しかし、段取り替えの回数も増やしながら総時間のロスは減らすため、大幅な段取り時間短縮が必要になります。
(次回に続きます)