ヒューマンエラー対応の職場づくり 第7回

7. ヒューマンエラーの種類と発生要因

 ヒューマンエラーの定義は、事故のきっかけになる人間の間違いです。別な言い方をすれば、やるべきことが決まっている時にしなかったり、しなくてもいいことをやってしまったりすることです。分類すれば、3種類あります。

 まず1つはエラーで、過失、誤り、うっかりなど。2つ目はミスで、し損なう、原因は何であれできなかったなどです。3つ目の失敗は、結果が上手くいかなかったことです。でも皆さんこれを都度都度分類できますか?うーーん、難しいですね。ですからこれら総称して、「ミス」と称します。

 ヒューマンエラー(ポカミス)による現象として、分類するとこれも3つあります。スリップ、ミス、失念・物忘れの3つです。

 1つは、「スリップ」。やろうとしたことが十分な注意を払っていなく、つい滑って実行段階での失敗があります。。やっている途中にミスをすることを、「スリップ」と呼びます。これはやってしまった時にすぐ気づくものです。キーボードで隣同士であり「、」と「。」の入力間違えたなどがあります。似たものを置かない、混乱させない、などがあります。

 次は「ミス」。やろうとしたこと自体が間違っているものです。やろうとしている前段階のものです。これはやってしまった後に気づくものです。気づきにくい、情報不足、勘違い、聞き間違い、錯覚、早合点、思い込みなどがあります。事前準備での相互理解が大切です。なぜやるのか、背景や目的をチームに共有化しておきましょう。

 さらに「失念、物忘れ」です。自覚症状のない人や頭のいい人ほどうぬぼれてしまい、メモすら取りません。記憶は曖昧です。記憶力より、記録力を身に付けいつもメモすることで対応できます。ボールペンとメモは、体の一部としていつも携帯しましょう。また使ったものは、すぐに元に戻しましょう。

 行動を起こす前に間違っていることもので、「ミス」と呼びます。「ミス」は、思い込みや先入観があります。これは、治す薬がなかなかありません。なぜかと言いますと、習慣化しているからです。習慣したものは、一気に修正できるものではなく、少しずつ手直ししなければなりません。厄介で困ったことなのです。直すには何度も繰り返さなければなりません。

 そのためにも、一人ではなくチームで取り組む必要があります。チームで支え合って、現場の作業環境や仕組みをお互いが声を掛け合っていきしょう。ミスで発生した製品不良が市場に出てしまうと、その費用はおよそ工場仕切値の数十倍から約千倍にもなってしまうのです。1つの些細なミス(故意に証拠書類を廃棄した)で、大会社でも潰れたことなど多々の事例があります。