3.仕組みを改善する基本 【急所40】製造作業の見える化

私は新型コロナウィルス感染拡大対応でずっと家にいます。そこで久しぶりに自分の部屋の模様替えを始めたのですが、以前に苦労して解いた知恵の輪を見つけました。
 
その知恵の輪は、見た目はシンプルで誰でも簡単に解けそうなのですが、とても難しいモノでした。どうやっても外せなかったのですが、突然ひらめいてやってみたら、いとも簡単に解けました。我ながらすごい発想の転換であり、自分の発想力や頑張り(大袈裟ですが実感です)にかなり感心したものでした。
 
しかし、今回は、どうしても外せないのです。その時の発想の転換が何だったかも全く思い出せません。メモしておけばよかった!と今さら思っても後の祭りですよね。
 
工場でも同様です。いつも作っている製品ならば工具や部品の配置も工夫してスムーズに生産ができるのに、3か月に1度の少量品の生産になった途端に設計図を見ながら、使う道具を考えながらと、まるで初めて出会う作業のようになってしまう工場が多いものです。
 
これは「もう一度生産する」ことを前提に製造作業を見える化していないことが原因です。たとえ、数年前に一度作ったことがあるだけという製品でも、同じ製品であれば前回のやり方を繰り返せば作れるはずですね。ですから、一度目の生産の時に「ベストなやり方」を、時間をかけてでも見つけ出して記録してデータ化しておけばいいのです。
 
組み立て順に部品を並べる入れ物を作ったり、工程を写真で記録したり、実物大で部品の位置を形跡表示したテーブルクロスを作ったりして次回の生産に生かしたいものです。少量品の生産にこそ、モノづくりの実力が現れるのです。
 
今週の言葉  多品種少量生産の肝は、製造作業の見える化にあり。